2022年12月12日月曜日

ゴールポストと梟の神様、そしてザシキワラシ

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、 哲学・宗教学の小笠原史樹先生です。


ゴールポストと梟の神様、そしてザシキワラシ

小笠原史樹(哲学・宗教学)

スポーツ観戦の習慣は全くないのだけれど、ほぼ唯一の例外として、四年に一度、サッカーのワールドカップだけは楽しみにしている。このブログ記事を書いている時点で(2022年12月10日)、すでに準々決勝、最初の二試合が終わり、次は残り二試合。何の知識も経験もない素人の目で画面を眺めているだけではあるものの、十分に堪能しており、そのため授業の準備が進まず、今、かなり追いつめられている……。
 
それはともかく、試合の実況や解説などで時々「ゴールポストに嫌われた」という表現を聞くことがあり、言葉遣いとして面白い、と思う。正確に定義できる自信はないが、「シュートしたボールがゴールポストに当たり、ゴールの外側に弾かれてしまうこと」という程度の意味だろうか。まるでゴールポストがその選手を、あるいはシュートやボールを好いたり嫌ったりしているかのようで、人間以外の視点が入りこんでくるのが面白いし、「選手がシュートを外した、ミスした」という言い方より、しっくりくる。

きっと、シュートがゴールに入るかどうかは、シュートを打った選手の行動だけで決まるわけではない。そこには他にも様々な、無数の要因・条件が関わっているのだろうし、そのような複雑な出来事の責任を、一人の選手だけに負わせるのはフェアではない、という気がする。ゴールポストの「好き嫌い」に理由を求める方が適切、と感じる。

2022年12月1日木曜日

河神像

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、芸術学の落合桃子先生です。


河神像

 筑後川は、利根川(坂東太郎)、吉野川(四国三郎)とともに日本三大河として知られ、筑紫二郎(次郎)と呼ばれています。堂々として勇ましく、普段は寡黙だが、実は気性が荒い、そんな九州生まれの男性がイメージされるでしょうか。

 川を人間になぞらえる、こうした擬人化は、ヨーロッパの美術でも古くから行われてきました。古代ギリシア・ローマ美術では、広く知られた川や、水の神オケアノスなどが、人間の姿で造形化されています。有名な作例に、ローマ・カピトリーニ美術館の、いわゆるマルフォリオ像(紀元1世紀)があります。
https://museicapitolini.org/en/collezioni/percorsi_per_sale/palazzo_nuovo/cortile/statua_colossale_restaurata_come_oceano_marforio(最終閲覧日2022年11月28日)

2022年11月18日金曜日

手書きの地図

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、文化人類学・民俗学の中村亮先生です。


 ある人との何気ない会話中「○○というお店に行ったことがありますか?」と聞かれた。「ないですね」と答えると、その人は「場所はここなんですよ」と言いながら、紙に地図を描いてくれた。私はそれを手にし、店の場所を確認しながら、「久しぶりに手書きの地図を見たなぁ」という思いにひたった。今の生活ではどこへ行くにもインターネットの地図アプリを使うことが多い。人に場所を説明する時も、目的地の名前や住所を伝えるだけで、あとは地図アプリにお任せである。最後に手書きの地図を描いたのはいつだったろうか?

 私はかつて、文化人類学のフィールドワークで「手書きの地図」をよく使っていた。とは言えそれは道案内のためではなく、人びとの「空間認識」を知るためであった。2000年からタンザニア南部のキルワ島という小島で漁民文化について調査しているが、その当初、漁業に詳しい人を探す目的で、「島の地図を描いてください。そしてそこに漁場も書き加えてください」などと複数の漁師にお願いすることがあった。島の形を正確に描けたり、多くの漁場を示すことができる漁師は、観察力や記憶力がものをいう空間認識に優れた人だと判断できる。そして大抵の場合「腕の良い漁師」なのである。

2022年10月17日月曜日

新資料紹介―続々と発見される新たな孔子の言行録―

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の中村未来先生です。

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新資料紹介―続々と発見される新たな孔子の言行録―

中村未来(哲学)

 孔子(前551?-前479)と言えば、中国の春秋時代末期に活動した儒家の祖であり、その言行が門人たちの手によってまとめられ、『論語』として流布したということは有名です。『論語』は後世、しだいに重視されて経典化され、朱熹(1130-1220)ら宋代の学者たちは「四書」の一つに数えて最重要文献に位置づけました。

 ただし、孔子の言行については、実はその他の経書(『礼記』『春秋』三伝等)や諸子の書(『墨子』『荘子』等)にもその記録が散見しており、中には『論語』のイメージとはかけ離れた逸話や批判が付与されているものもあります。『論語』が不動の地位を得る以前は、やはり様々な学派との論争の中で、儒家もその思想を展開させていたのだろうということがうかがえます。

2022年9月21日水曜日

日本神話にまつわる小話:ヤマタノヲロチは怪物なのか

  「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、宗教学の岸根 敏幸先生です


日本神話にまつわる小話:ヤマタノヲロチは怪物なのか

岸根 敏幸
 
 ヤマタノヲロチ(八俣遠呂知、八俣遠呂智、八岐大蛇)を知らない日本人はそう多くないでしょう。日本神話に直接触れたことのない人でも、その名前と特異な姿について、ある程度は知っているのです。では、ヤマタノヲロチという存在は何なのでしょうか。「想像上の怪物」という答えがすぐに返ってきそうです。日本神話の記述によれば、ヤマタノヲロチに八つの頭と八つの尾があり、大きさは谷と山を各々八つ分合わせたほどとされています。そんな生物は地球上のどこにも存在していませんし、恐竜が活躍していた時代でも該当するような生物はいなかったでしょう。

2022年9月13日火曜日

2022年度 オープンキャンパス(学生記事)

8月6日に行われたオープンキャンパスの様子について、スタッフとして参加した2名の学生にレポートしてもらいました。

(1)

みなさん、こんにちは!文化学科3年の石川穂乃佳です。

今回は8月6日に行われた福岡大学のオープンキャンパスについてお伝えさせていただこうと思います。なんと対面でのオープンキャンパスは3年ぶりの開催ということでした。コロナで大変な時期ではありますが、実際に学科のスタッフとして高校生の皆さんに文化学科の魅力をお話できて嬉しかったです。

2022年9月2日金曜日

2022年度 卒業論文相談会のご案内(LC20台/3年次対象)

卒業論文相談会のご案内(LC20台/3年次対象)


文化学科において「卒業論文」は必修科目ではありませんが、大学での学びの集大成として、ぜひ卒業論文に取り組んでみませんか。

3年生の皆さんを対象に、卒業論文相談会を開催します。卒業論文の手続きについて説明を受けた後、学科教員と卒論について個別に相談することができます。卒業論文にご関心のある皆さんは、ぜひご出席ください。

日時:2022年9月30日(金)16時20分~
場所:文系センター棟15階(第5・6・7会議室)

スケジュール:
16時20分~   手続きに関する全体説明
16時35分頃~  個別相談

※当日は『2022年度版 福岡大学人文学部文化学科 教員紹介』をお持ちください。卒業論文を書くために必要な手続きについては、同冊子中の「卒業論文を書くために――卒業論文をめぐるQ&A」もご覧ください。

以上

2022年度 卒業論文指導願の提出について(LC20台/3年次対象)

卒業論文指導願の提出について(LC20台/3年次対象)


文化学科3年次の皆様

4年次に「卒業論文」の登録を希望する学生は、指定のフォームから下記の内容を入力・送信してください。
指定のフォームのリンクはFUポータルならびにCISメールからの通知をご覧ください。)

1. 学籍番号
2. 氏名
3. 希望する指導教員
4. 承諾の有無
5. 卒業論文のテーマ
6. 研究計画(400字程度)

提出期間:2022年10月3日(月)~10月14日(金)(公式には左記の日程ですが、それより早く入提出していただいてかまいません)

これに先立ち、卒業論文相談会も開催いたします。卒業論文の手続きについて説明を受けた後、学科教員と卒論について個別に相談することができます。卒業論文にご関心のある皆さんは、ぜひご出席ください。 
日時:2022年9月30日(金)16時20分~ (※日程が変更になりました) 
場所:文系センター棟15階(第5・6・7会議室)

上記の卒業論文相談会や授業時あるいはメールなどで、必ず事前に希望する教員とコンタクトを取り、承諾を得た上で、上記のフォームに入力・送信してください。

以上

2022年度 卒業論文中間報告書の提出について(LC19台/「卒業論文」登録者対象)

卒業論文中間報告書の提出について(LC19台/「卒業論文」登録者対象)


「卒業論文」登録者の皆様

卒業論文の中間報告書を、以下の要領にて提出してください。
提出期限は2022年9月30日(金)です。内容や分量など特に規定はありません。

1 中間報告書の本文を指定のフォルダにアップロードしてください。

※ファイル名は「学籍番号_名前_卒論中間報告書」としてください。
 例:LC190000_福大太郎_卒論中間報告書
※ワード形式(.docx)かPDF形式(.pdf)で提出してください。

2 指定のフォームから追加情報を登録してください。

指定のフォルダ等のリンクについてはFUポータルならびにCISメールからの通知をご覧ください。

以上

2022年9月1日木曜日

路上観察会の報告

  「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、社会学の開田奈穂美先生です。


2022年の夏学期、私が担当している文化学演習Ⅰの授業で、「なんらかの意図をもって置かれたことがわかるモノを写真に撮る」という課題を与えて、路上観察をしてもらいました。時期は7月なかば、場所は六本松駅から大濠公園にかけてのエリアです。各自のスマートフォンなどで写真を撮影してもらい、LINEのオープンチャット機能を使って参加者全員に共有してもらいました。

この路上観察では、人間ではなくモノを撮影するというのがひとつのポイントです。人間が言語やジェスチャーをつかって何らかのメッセージを発するというのはありふれたことですが、モノもまたメッセージを発することが可能です。よくよく見れば、街中には様々なやり方で人間の行為を制限したり、逆にある行為を促したりするモノであふれています。実際に受講生が撮影した写真を示しながらその例を見てみましょう。

言語や図を使って行動を制限する

(写真1)
一番わかりやすいのは、立て看板やポスターなど、言語やグラフィックシンボルをつかって「〇〇禁止」というメッセージを伝えているものです。立ち入りや通り抜け、喫煙など特定の行為を禁止するためのものが多いです。

2022年8月23日火曜日

オープンキャンパス2022・模擬講義「文化学科で考える『鬼滅の刃』」

  先日開催されたオープンキャンパス(2022年8月6日)での模擬講義に関して、「その講義内容を後日ブログに投稿していただけませんか」とのコメントをご投稿いただきました。ありがとうございます。

  リクエストにお応えして、開田奈穂美先生の模擬講義の要約と配布資料、小笠原史樹先生の模擬講義の音声(2022年9月末までの期間限定)と配布資料を公開します。

写真1 開田先生の模擬講義の様子

写真2 小笠原先生の模擬講義の様子

2022年7月20日水曜日

2022年度 オープンキャンパスのご案内

今年度オープンキャンパスの文化学科関係のお知らせです。
模擬講義および個別相談を開催します。
今年の模擬講義テーマは『鬼滅の刃』!

会場内に貼ってあるポスター(下画像の右側)を目印にどうぞ。
たくさんのご来場をお待ちしております。

1.模擬講義「文化学科で考える『鬼滅の刃』」
   会場・A棟2階 A201教室

 1)「『鬼滅の刃』から考える日本社会と支配のありかた」
   時間:10:30 - 11:00
   講師:開田奈穂美 先生
   概要:『鬼滅の刃』は大正時代を舞台にした創作ですが、現在の日本社会を反映しているからこそ人気を得ているとも言えます。社会学の立場から、この漫画で描かれる支配のありかたに着目して分析してみたいと思います。

 2)「「君と俺とでは価値基準が違う」-『鬼滅の刃』の死生観」
   時間:13:00 - 13:30
   講師:小笠原史樹 先生
   概要:哲学・倫理学・宗教学の観点から、『鬼滅の刃』の死生観(生や死に関する考え方、価値観など)について分析します。マンガ原作の第11巻、アニメ版「遊郭編」までのネタバレを含みますので、ご注意を。


2.個別相談 / 資料展示
   会場・A棟7階 A703教室
   時間・9:30 - 16:30

・福岡大学オープンキャンパス関係HP *参加には事前予約が必要

・配布物
 『文化学科卒業生・在学生名鑑 2022』(下画像の左側)

2022年7月15日金曜日

急速に変貌してきた街・深圳 ―異文化の接触地帯9―

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、地理学の磯田則彦先生です。

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急速に変貌してきた街・深圳
―異文化の接触地帯9―


 こんにちは。文化学科教授の磯田則彦です。私の専門は、人口研究と異文化の接触地帯の研究です。両者ともに複合領域的な研究になりますが、それぞれに非常に魅力的な分野です。

 まず、人口研究についてですが、具体的には人口移動研究と人口問題研究が中心になります。前者については、日本・北アメリカ・北・西ヨーロッパを中心に研究してきました。人は生まれてから死ぬまである場所に定住し、一切別の場所に移ることがなくてもよいのでしょうが、実際にはライフサイクルの重要なステージで移動を行う人が大勢います。果たして、「その人たちは、どのような属性で、どういった理由で移動を行うのでしょうか?」以前から、そのようなことが気になってしまいます。

 また、後者については、非常に大まかな表現を許していただければ、「人口が停滞から減少へ向かいつつある社会」(現時点では、概して先進諸国の一部や東欧諸国に多く見られます)や、「短期間に人口が急増している社会」(概して、後発開発途上国とイスラーム諸国に多く見られます)を対象として研究を行っています。出生と死亡に影響を与える社会経済的要因や政策などが中心的なテーマです。

2022年6月20日月曜日

宮野さんのこと、日本哲学のこと

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の竹花洋佑先生です。

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宮野さんのこと、日本哲学のこと

竹花洋佑

 

 はじめまして。2021年の4月に福岡大学に着任いたしました、竹花です。福大に来てすでにまる一年以上たちましたので、完全にタイミングを逸しておりますが、はじめてブログに記事を掲載させていただきますので、少し個人的なことをお話しさせていただければと思います。個人的なことといっても、生い立ちや趣味についてではありません。私の専門としている日本哲学のこと、そして宮野さんのことについてです。

 宮野さんとは、2019年7月に逝去された宮野真生子先生のことです。宮野さんがご担当されていた共通教育科目の「哲学」や専門科目の「日本の思想」を現在私が担当しているので、私は宮野さんの後任者ということになります。

 私と宮野さんとは1歳違いになります。宮野さんが1977年生まれで私が1978年生まれになりますが、学年でいえば同じになります。初めての出会いは、今から20年ほど前のこと、20034月に私が京都大学の大学院に入学した頃にさかのぼります。私は廻り道をして他大学から京大の大学院に入りましたので、生え抜きの宮野さんは、私が修士1年生の頃、すでに博士課程の2回生でした。

2022年6月2日木曜日

美大から哲学へ

  「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の平井靖史先生です。


 たまに聞かれるので、書いてみようかと思う。「どうして油絵から哲学することになったんですか」という疑問。

 最初の大学は武蔵野美術大学の油絵科で、在学生の皆さんの歳の頃には画家になる気満々だったのです。でも、結局美大を卒業した後、東京都立大学の哲学科に「学士入学」で入り直します。そこから卒論書いて修論書いて博士課程に進んで就職して今に至るまで哲学をやってます。

 何がきっかけだっただろう。

2022年4月26日火曜日

令和4年度 LCガイダンスゼミナールを開催いたしました。

 

2022年4月16日(土)にA棟 AB01教室にて,新入生を対象にLCガイダンスゼミナールが開催されました。ガイダンスゼミナールとは,文化学科に入学したばかりの新入生のみなさんが,これからの4年間「文化学科で何を,いかに学ぶか」を具体的に知ってもらうための催しです。

コロナ禍で2年間開催できなかったのですが,今年は感染対策を行いながら3年ぶりの開催となりました。



今年のテーマは,「文化学科で考える<世界遺産>」でした。

午前の部では,まず4名の文化学科の先生から講義がありました。
  • 藤村健一先生(地理学)
    「世界遺産『百舌鳥・古市古墳群』の天皇陵古墳に対する様々な意味づけ」
  • 植野健造先生(芸術学・美術史)
    「九州の世界遺産・近代化遺産」
  • 岸根敏幸先生(宗教学・神話学)
    「日本神話における宗像三女神ー世界遺産『神宿る島』宗像・沖ノ鳥と関連遺産群との関わりでー」
  • 中村亮先生(民俗学・文化人類学)
    「タンザニア南部キルワ島の世界遺産と信仰」
午後の部では,以上の4名の先生方からの世界遺産に関する講義を踏まえて,基礎演習の班ごとにグループワークを行い,各班から発表を行いました。

1年生でまだ慣れない発表かと思いきや,皆さんしっかり堂々と発表されていて,議論も大いに盛り上がりました。

今後の卒業まで,文化学科での学びをますます深めていっていただければと思います。




2022年4月8日金曜日

令和4年度 新入生指導懇談会(対面式)が行われました

 4月7日(木)に、文化学科の新入生と学科教員の対面式が行われました。

岩田直也先生による司会進行のもと、学科主任の平田暢先生から歓迎の辞が述べられました。
その後,教員の紹介が行われ、また新入生一人ひとり手短に自己紹介を行いました。
戦争に疫病にと激動の時代ですが、平田先生も祝辞で仰っていたように、好奇心を大事にして、多くのことを学ぶ大学生活にしていただければと教員一同願っています。


2022年4月3日日曜日

令和4年度 文化学科新入生指導懇談会のお知らせ(4月7日)

 文化学科の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。入学したてで大変な時期かと思いますが、新入生の皆さんにお知らせがあります。

4月7日(木)に、文化学科の新入生指導懇談会を開催します。新入生と学科の教員の顔合わせと簡単な紹介を行いますので、新しく文化学科に来られた学生の方は必ず出席してください。

日時:2022年4月7日13時より

場所:8号館832教室

※所要時間は40分ほどです

※座席は指定席となっています、学籍番号順にお座りください

式次第

1)学科主任挨拶

2)教員紹介

3)新入生紹介

4)ガイダンスゼミナールについて

5)その他




2022年4月1日金曜日

心理学って?

心理学
心のはたらき・しくみ」や「人間の行動」
を研究する学問です。

「目に見える行動・測定できる行動」から「心の動き」を推測する科学ということもできます。

文化学科で学ぶ『心理学
「文化」を理解するための1つのツールとして存在します。


「文化」理解するには「文化」創造している人間行動を理解することが必要だと考えるからです。

2022年3月28日月曜日

令和3年度文化学科卒業式が行われました

 先日(令和4年3月19日)、令和3年度福岡大学人文学部文化学科の卒業式(学位記授与式)が挙行されました。卒業式の模様をお届けします。

 ご卒業されたみなさま、本当におめでとうございます!!!
 みなさまのこれからが、希望と幸福に満ちたものでありますように。


2022年3月21日月曜日

「全国地理学専攻学生卒業論文発表大会」で学生が発表を行いました

 地理学の藤村健一先生より、イベントの報告をいただきましたので掲載いたします。


 3月14日、日本地理教育学会の2021年度全国地理学専攻学生卒業論文発表大会が開催され、文化学科の4年生2名がそれぞれ発表を行いました。

 これは、各地の大学で地理学を専攻している学生が、それぞれの卒業論文で扱った研究内容を発表する学術大会です。今回はオンライン(Zoom)で行われました。

http://www.geoedu.jp/sotsuron.html

 発表者の氏名と題目は次のとおりです。

・阿南咲良さん:「杵築城下町の近世の火災被害と被災地域の現状・課題」

・若林優大さん:「「散村地域」・出雲平野の集落の形態とその変遷―出雲平野東部を中心に―」

2022年2月28日月曜日

大観音像と現代宗教のゆくえ

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、地理学の藤村健一先生です。


1.久留米市の救世慈母大観音

 成田山久留米別院明王寺は久留米市の観光名所の一つである。境内には地獄の責め苦の様子を人形で表した「地獄館」や、インド・ブッダガヤの大菩提寺を模した「平和大仏塔納骨堂」などの堂宇があるが、最もよく知られているのは「救世慈母大観音」である。

救世慈母大観音(2022年2月筆者撮影。以下同様)

 これは同寺の住職の発願により1983年に造立された、高さ62mの白亜の大観音像である(成田山久留米分院ウェブサイト[https://www.kurume-naritasan.or.jp/about/jibokannon/])。遠方からでもよく見えるため、周辺地域のランドマークになっている。

2022年2月14日月曜日

おかんめーたー

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、社会学の平田暢先生です。


先日、通販サイトを見ていて「おかんメーター」というものを知りました。


これは「トラ柄、ヒョウ柄などアニマル柄の服を持っている」や「カバンの中にかならず飴、正確にはアメちゃんが入っている」、「エスカレーターは右側に立つ」、「マクドナルドの略称は「マック」ではなく「マクド」」、「阪神タイガース愛」など「大阪のおばちゃん」度を、額に光を当てて一瞬で測るものです。近々「おとんメーター」も発売されるとか。


・・・うそを書いてしまいました。すみません。そうではありません。


「悪寒メーター」です。これは単純な体温ではなく「悪寒」、ひどい風邪やインフルエンザに限らずいろいろな病気で発症する不快な寒気の度合を、体表の温度だけではなく深部体温、血中の酸素飽和度などから測定するというものです。

2022年2月7日月曜日

2021年度卒業論文発表会が開催されました

1月31日(月)13時から、文化学科の卒業論文発表会が開催されました。

元々は対面での実施を予定していたのですが、
新型コロナウイルス感染症の急拡大に伴い、
昨年に引き続き今年もWEBEXでのオンライン形式での発表会となりました。

今年は、オンライン口頭発表形式での7件の発表が行われました。

文化学科らしいまさにダイバーシティに富むテーマの卒論が報告され、
最後の平田先生からの総評にもあったとおり、とてもレベルの高い発表会だったと思います。

卒論生の皆さん、お疲れ様でした!
3年生以下の皆さんもぜひ卒論を書きましょう!

2022年1月30日日曜日

リアルってなんだ!?

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の平井靖史先生です。


 最近のガンプラはすごく良くできていて、買ってきてパチパチ組み立てるだけで、スタイル抜群&ぐりぐり可動するかっこいい模型があっという間にできます。大まかにプラの色分けもされてて、塗装の必要もない。すごいなあ。そこでちょっとひと手間かけて、「墨入れ」をしてあげると、さらにリアルに仕上がります。ガンダムの表面で筋彫りされているところに、筆ペンみたいなやつで線をなぞってあげると、本物感が増すんです。筆ペンで済むので片付けもいらないし、お手軽なのでおすすめです…。
 というわけで、今回はガンプラの話を——。というわけではなくてですね、リアルってどういうこと?というお話です。今、ガンプラのリアルって話をしたんですが、ガンダムってそもそも実在しないですよね。いや、今は実在するので(実物大で動くガンダム立像が日本各地に存在します)話がさらにややこしくなるんですが、とりあえずは元がフィクションだという意味です。例えば元が実在する…そうですね、ルンバにしましょう。お掃除ロボットルンバ。さて、ルンバのプラモデルがあるとしましょう。5分の1スケールとか?その場合、ルンバのプラモをリアルに作るというのは、おうちで働いているあの実在のルンバに似せていくという意味合いですよね。ところが、ガンダムは、それがないわけです。地球連邦軍が作った、アムロが乗ってる「あの実在のガンダム」はないわけです。オリジナルが存在しないモデルについて、それがリアルだとかそうじゃないって、いったいどういう意味なんでしょうか。 

2022年1月21日金曜日

幸福と運

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学・倫理学の林誓雄先生です。


 ここ数年,飲み会がらみのブログ記事ばかりで,こいつはまともに教育・研究をしていないのではないか,と思われかねない状態である。そのため(もはや手遅れかもしれないが),さすがに今回はゼミのことについて,少しだけ(まじめに)書いてみることにしたい。

 今年度の後期ゼミは,思想系(哲学・倫理学)のゼミであるにもかかわらず(?),ありがたいことに,なんと15人もの方が配属希望をだしてくださった(ゼミの人数としては,過去最大・ちょっと多すぎかしら汗)。さてそのゼミでは,共通テーマを設定し,15人を5人*3グループに分けてグループワークをしてもらったのだが,取り組んだテーマの一つに「幸せ・幸福」というものがあった。哲学・倫理学においては,王道中の王道テーマの一つである。

 とはいえ,人類が二千年以上取り組んできてもなお,答えが見えてこないこのテーマに,ぼんやりと取り組んでいては結論など出るはずもない。そのため,もう少し絞り込んで,次のような「問い」に,答えを与えてもらうことにした(それでもまだ,あまり絞り込めていなかったのだけれど)。

2022年1月13日木曜日

2021年度 卒業論文発表会のお知らせ(WEB開催)

下記の要領で,文化学科の卒業論文発表会を開催いたします。

発表者のみならず,文化学科の学生は全員参加できます。ぜひ遠慮なくご参加下さい。

1-3年生の皆さんも,卒論で先輩がどのようなことを研究して卒業していくのか,自分が卒論を執筆する上で参考になります。

4年生で自分は卒論を書いていないという方も,同級生の友人が大学での最後に発表する卒論発表をぜひご覧になって下さい。