2020年3月26日木曜日

落語の魅力

LC18台 鳥巣はるか

皆さんこんにちは。福岡大学人文学部文化学科二回生の鳥巣はるかです。

突然ですが、皆さんは落語を聞いたことがありますか? きっと多くの人が聞いたことがないと言うでしょう。理由としては、「古くさい」「難しそう」というイメージが強いせいだと思います。実際私もこの福岡大学の落語研究会に入るまではそう思っていましたが、聞いてみるととても面白く、奥深いものだと知ることができました。そこで今回は、皆さんに落語の魅力を伝えていこうと思います。

魅力の前に落語って何?

落語とは、扇子と手ぬぐいを主に使い、一人の演者が何人もの登場人物を演じ分けながら物語を展開させていく、日本の伝統的な話芸です。噺にオチがあることから落語といわれています。また昔の関東地方で演じられていた、江戸の言葉を使う江戸落語と、関西方面で演じられていた、昔の関西弁を使う上方落語という二種類に分かれています。同じ噺でも地域性が出ていて少し違うものになっていたり、江戸落語は粋、聞かせるという特徴があり、上方落語は派手、華やかという特徴があります。

魅力① 扇子と手ぬぐいがあればどこでもできる
落語は基本大道具やものに頼る事が少なく、演者一人が手ぬぐいと扇子を使い、身振り手振りだけで噺を演じます。そのため、大がかりな装置を用意する必要がなく、手ぬぐいと扇子があれば、どこでも落語を披露することができる、身近な芸能となっています。


愛用のセンスと手ぬぐい

魅力② 様々な噺がある
落語には様々な噺があります。例えば、面白おかしく笑える滑稽噺や、泣ける、聞かせるということに特化した人情噺、幽霊やお化けが出てくる怪談噺、お客さんからお題を三つもらい、演者がその場で噺を作る三題噺、色っぽい艶噺などがあります。また、既に述べた江戸落語に上方落語、昔から人々に伝わってきた古典落語や、明治以降に作られた、比較的新しい新作落語というように種類もたくさんあります。そしてオチにも様々な種類があり、考えオチという一瞬考えてからニヤリとさせられるもの(例、短命)、逆さオチという物事や立場が入れ替わるもの(例、初天神)、仕草落ちという仕草が落ちになっているもの(例、始末の極意)、地口落ちといわれるダジャレがオチになっているもの(例、孝行糖)、仕込み落ちという前もってオチの伏線を仕込んでおくもの、途端落ちという最後の一言で結末のつくもの、ぶっつけ落ちという意味の取り違えがオチになるもの、間抜け落ちという間の抜けたことがオチとなるもの、見立て落ちという意表を突いたものに見立てるものなどの種類があります。

このように落語の形式、噺、落ちにもたくさんの種類があるためいろいろな噺を聞いて楽しむことができます。また、前座噺という落語家の中でも下の身分の前座がやるような噺はわかりやすく面白いものが多いので、初心者の方にもおすすめです。(例、つる、饅頭怖い、寿限無、子ほめ、牛ほめなど)

魅力③ 演じる人によって、同じ噺でも全然違うものとなる
落語は演者一人ですべてを演じるため、非常にその演者の個性が出ます。同じ噺でも、江戸弁を使うのと上方弁とでは雰囲気が違ったものとなるうえ、その演者自身のキャラクターによって、まったく雰囲気が違うものとなります。たとえば、普段明るい人が滑稽噺をすることで楽しくお客さんを笑わせたり、普段はおとなしい人が聞かせて泣かせる人情噺をするのも、いいのですが、あえて普段明るい人が人情噺をすることで、人情噺特有の重い雰囲気が少し払しょくされて聞きやすいものとなったり、普段はおとなしい人が滑稽噺をすることで、その演者のおとなしそうな雰囲気とのギャップで面白いものになったりします。このように、同じ噺でも演者によって、雰囲気がぜんぜん違うものとなるため、その演者の個性を楽しみながら噺を聞くことができます。



福大落研の寄席で落語を披露したとき


以上、落語の魅力について取り上げましたが、実際最近は落語ブームというように、落語を題材にした昭和元禄落語心中という漫画がドラマ化されたり、策伝大賞という学生落語の全国大会が行われていて、決勝戦はNHKで放送されていたりと、とても盛んなものとなっています。落語は親しみやすい文化となっているので、ぜひ落語を聞きに寄席に行ってみたり、日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか? そして福岡大学に入学した暁には、福大落研の寄席に来ていただければ幸いです。



策伝大賞の様子


福大落研の写真

2020年3月25日水曜日

ディズニー映画からみる海外の妖怪文化


LC17台 粟田来実

こんにちは。人文学部文化学科3年の粟田です。
私は、昨年受講していた林ゼミのレポート課題で、「日本の妖怪文化浸透の過程について」という題材で日本の妖怪文化の考察をしました。

人気アニメーション・ゲームの「ポケットモンスター」や「妖怪ウォッチ」、映画でいえば「千と千尋の神隠し」や「バケモノの子」などの作品を通じて、近年、妖怪という存在は非常に親しみやすいものになったと思います。日本で受け入れられやすい妖怪像の特徴は、より可愛らしくキャッチ―なイメージものが多いですよね。

では、海外の妖怪文化はどうでしょうか…?
今回は、海外の有名長編アニメーション作品であるディズニー映画を用いて、海外で受け入れられている妖怪像を自分なりに考察してみようと思います。

日本で妖怪というと、妖(あやかし)や物の怪、幽霊など混同してしまいがちですが、海外では化け物や怪物の類をモンスターといい、幽霊の類をゴーストと呼んでいますので、日本のようの曖昧さは回避しているように感じます。

1つ目の作品「モンスターズ・インク」(2001
この作品は題名にあるように、モンスターたちが主役の映画です。この映画に出てくるモンスターは、冒頭では子供を怖がらせる存在として描かれています。ですが、後々には、子供を笑顔にする存在に変わります。なお、この映画が作られた背景には、様々な映画やゲームなどの影響で、モンスターを怖がらない子供が増えたことがあるのでしょう?

2つ目の作品「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993
この作品は、ハロウィンタウンに住まうゴーストたちが主役の作品です。こちらもゴーストたちは人間に悪戯をしたり、怖がらせることが大好きであるというふうに描かれています。

日本は物や動物に霊魂が宿るアニミズムの概念がありますよね。海外にはこのアニミズムがほとんどありません。海外のホラー映画を見ても出てくるのは、ゾンビであったり、幼い少女の霊だったりと、主に死んだ人間が蘇るか怨霊になって現れるものが多いイメージが強いです。

しかし、この「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」に出てくるキャラクターを見てみると、骸骨あたまの主人公、ジャックはかかしであったり、ヒロインのサリーは死体から作られた人形であったり、ジャックのペット、ゼロは幽霊犬であることから、海外にアニミズム的文化が全くないとは一概に言えないということがわかりますね。

どちらの作品も、日本と同じで、人間を怖がらせる存在として、モンスターやゴーストを描いているのがわかります。ですが、日本の妖怪は時に幸をもたらすものであったり、付喪神と称して尊い存在として扱われたりもします。海外では、妖怪イコール神とは、とても結びつかない考えでしょう。

そして日本と海外の妖怪の違いの大きなポイントは、人間に直接的に危害を加えるかどうかだと思います。海外では、モンスターやゴーストは直接的に人間を襲うから怖いというイメージを与えているのではないでしょうか。その反面、モンスターは実は繊細な心を持っているという裏設定をつけ、一方的に嫌われ者扱いのような「泣いた赤鬼」的要素を加えて親しみやすいものにしている感じがしますね。とはいえ、結末はモンスターやゴーストはいいやつ!なので、結局は日本も海外も妖怪の存在自体を受け入れている姿勢は同じようですね。

今回取り上げた2つは、ディズニー映画のごく一部の作品なので、ホラー要素の含まれる作品はまだあるかもしれません。また、ディズニー映画はアメリカのものなので、他の国のホラーアニメーション作品からも読み取れるものはあるのではないかと思いました。

文化学科に入るまでは、自分の好きな映画を文化的な視点で見たことがなかったので、いつもとは違った面から一つの作品を見てみるのもいいなと感じました。そういうことに気付けるのも、この学科の面白さだと思います。

2020年3月4日水曜日

令和2年度文化学演習の所属希望調査について(再掲)



《重要》令和2年度 文化学演習所属希望調査について

(2020年3月13日 更新)

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新型コロナウィルスの影響により,レポート提出ボックスに希望調査票を投函することによる調査を中止する可能性があるとしていましたが、現時点で大学側からこの件に関連する指示はでておりませんので、例年通り、レポート提出ボックスに希望票を投函する形で、希望調査を行います。
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◆令和2年度 新2年生(LC19台)・再履修者各位
 令和2年度の文化学演習Ⅰ、文化学演習Ⅱの所属希望について、下記の要領で提出してください。

◆令和2年度 新3年生(LC18台)・新4年生(LC17台)・再履修者各位
 令和2年度の文化学演習ⅢⅣ、文化学演習ⅤⅥの所属希望について、下記の要領で提出してください。

  1. 演習Ⅰ・Ⅱ(LC19台および再履修者)については、配布された「演習所属希望調査票」を前期と後期で各1枚提出してください(再履修を除くと、各自2枚提出)。
  2. 演習Ⅲ-Ⅳ、Ⅴ-Ⅵ(LC18台・LC17台)については、配布された「演習所属希望調査票」を前・後期通じて合計1枚提出してください(再履修を除くと、各自1枚提出)。ただし、再履修の場合は1科目(半期)ごとに1枚提出してください。
  3. 提出先は文系センター棟低層棟1階のレポート提出ボックスです(下記案内図参照)。
  4. 提出期間は 令和2年3月16日(月)~18日(水) 12:00  <厳守> です。提出がない場合や期限に遅れた場合は、教務・入試連絡委員が所属を決定します。 ※何らかの事情で上記の期間中に提出できない場合は、事前に教務・入試連絡委員(藤村・林)へ相談してください。
  5. 決定した演習の所属は、3月21日(土)までにFUポータルと人文学部掲示板で発表します。
  6. 演習所属に関する問い合わせは、教務・入試連絡委員(藤村・林)まで。

※注意事項
  1. 演習ⅢとⅣ、ⅤとⅥは前期と後期で同一教員の演習に所属することになります。
  2. 演習の所属は原則として本人の希望に基づいて決定します。ただし、希望人数が定員を超える場合は、本年度の成績に基づいて調整します。
  3. 各演習の内容については、3月上旬以降にFUポータルでシラバスを閲覧することができます。『文化学科 教員紹介』も参考にしてください。
  4. 登録制限科目を履修する場合、所属する演習の開講曜日・時限と重複しないように注意してください。
  5. 再履修が必要な場合、必要な用紙を別途用意し、「再履修」欄に必要事項を記入して提出してください。
  6. 「演習所属希望調査票」が手元にない場合は下記リンク先からダウンロードしてください。3月には、FUポータルからもダウンロードできるようにする予定です。ダウンロードした用紙は、配布したものと色が違う場合がありますが構いません。