2019年1月29日火曜日

平成30年度卒業論文発表会が開催されました。

本日1/29は,文化学科の卒業論文発表会でした。

今年は,口頭発表4件とポスター発表27件の計31件の発表が行われました。

各自の興味関心に基づきながらも,文化学科らしくテーマから手法まで多種多様な発表で,学生からの質問も多く飛び交う,とても活気のある発表会でした。
 

<口頭発表の様子>

<ポスター発表の様子>


今日の卒論発表会で,卒論関連イベントは最後となります。
大学生活の集大成にふさわしい,素晴らしいイベントだったのではないでしょうか?

卒論生の皆様,大変お疲れ様でした!
そして,3年生以下の皆さんもぜひ卒論を書きましょう!

2019年1月23日水曜日

海外ドラマにみるアメリカのスクール文化(LC15台 中武 絢さん)

2018年度 第7回目の学生記事をお届けします。文化学科4年生の中武絢さんが、アメリカの学校文化に関して海外ドラマを例に挙げながら紹介してくれました。




海外ドラマにみるアメリカのスクール文化
LC15台 中武 絢

こんにちは。みなさんは何か好きなこと、趣味はありますか?

私は映画・ドラマ鑑賞が好きで、特に海外の作品が好きなので、今回は“海外ドラマにみるアメリカのスクール文化”について考えてみたいと思います。

アメリカでは、日本と同じように学園/スクールが舞台となっている映画やドラマが沢山あります。今回は、アメリカの有名なドラマ『ゴシップガール』を例にとり、私がドラマをみて特に印象深かったアメリカ文化を紹介していきたいと思います。

『ゴシップガール』は2007年~2012年にかけて放送されたアメリカのドラマで、全6シーズン・121話となっています。舞台はニューヨーク市マンハッタンのアッパー・イースト・サイドで、ここに暮らしながら名門私立学校に通う富裕層の高校生の成長を中心に描いた恋愛ドラマです。

それではスクール文化について見ていきましょう。




1, スクールカースト


ドラマの中で描かれている学校生活では“学園の女王は誰なのか”ということが重要視されています。『ゴシップガール』では〈誰もが羨むパーフェクトな美人セリーナ〉と〈有名ファッションデザイナー令嬢のブレア〉が女王の座を争っていて、彼女たちが高校を卒業した後も、学校では“女王争い”が続いていきます。

アメリカ映画/ドラマでは、このようにスクールカーストが日常的に存在するものが多数あり、例えば女性だと“チアリーダー”、男性だと“アメフト選手”がスクールカースト最高峰として描かれています。また女王のほかにも“取り巻き”や“連絡係”など細かく設定されている場合も多くあり、これらもごく日常的に描かれています。


2, プロムナード

アメリカマンハッタンの日常を描く『ゴシップガール』の中で、場面として多く登場したのはパーティーシーンでした。アメリカでは定期的にダンスパーティーが開かれることも少なくないですが、その中でも特別なものが、高校の卒業パーティー「プロム(プロムナード、舞踏会)」です。

会場がいつもより豪華なことはもちろん、参加者たちもドレスアップやメイクに気合をいれて臨みます。また、男性が女性をプロムに誘う“プロムプロポーザル”もプロムの醍醐味の一つであり、男性たちは女性たちを喜ばせるためにサプライズなどを用意し、精一杯もてなします。日本ではあまり見られない、素敵な文化ですね。




3, 大学受験

『ゴシップガール』の中で描かれていたアメリカの大学受験の場面で、私は初めて日本の受験との違いを知り、驚いたことがたくさんあったので紹介していきたいと思います。まずアメリカの大学受験は、日本のように決まった「入試日」はなく、高校の成績・SAT(大学進学適正試験)の点数・推薦状・小論文などの“入学審査書類”を揃えて、すべて郵送かオンラインで提出されます。試験の成績のみで合否が決まるわけではないようで、“有名人の子供”や“人種的マイノリティー”、“親の寄付金額”などでも合否が左右されます。また、ハーバード大学やコロンビア大学をはじめとする名門8大学は、「アイビー・リーグ」と呼ばれており、多くの学生がアイビー・リーグへの入学を希望します。



4, イベント

最後に、すこしスクール文化とは離れてしまいますが、『ゴシップガール』の中でも、何回も登場していたアメリカ文化の「サンクスギビングデー」を紹介したいと思います。サンクスギビングデーとは毎年11月の第4日曜日に行われる感謝祭で、“家族全員で過ごす日”となっています。パンプキンパイやターキーなど豪華な食べ物が用意され、家でアメリカンフットボールの鑑賞をしたり、街中で行われているパレードを見たりして楽しみます。日本ではまだあまりみられないサンクスギビングデー。職場や学校などすべてがお休みになり、家族や大切な人と楽しむための日が設けられていて、とても素敵な文化だなあと思いました。



 今回私が取り上げたのは一つの作品でしたが、洋画や海外ドラマには、私たちの知らない文化がたくさんつまっています。福岡大学の図書館にはDVDコーナーもあり、様々なジャンルの映画を見ることもできます。みなさんもぜひ興味のある映画から、今まで体験したことのない新しい文化に触れてみてはいかかでしょうか?

※記事中の写真は、私がアメリカの高校へ留学した時の友人から送ってもらったものです。

2019年1月12日土曜日

平成30年度卒業論文発表会のお知らせ(1/29・火)

 下記の日程で卒業論文発表会(口頭発表およびポスター発表)を開催します。
 4年生だけでなく、1年生から3年生も是非足を運んで、先輩たちの研究から学びを得てください。とくにポスター発表では、発表者が各ポスターの前にいますので、自由に質問することができます。

・日時 2019年1月29日(火)13:00〜16:00
            (口頭発表 13:00~14:30、ポスター発表 14:30~16:00)
・場所 文系センター棟15階 第5会議室(口頭発表)、第6・第7会議室(ポスター発表)

 詳細は、以下のプラグラムをご覧ください。

ポスター発表の発表者は12:40までに来場し、自分でポスターを貼付してください。



2019年1月4日金曜日

スケールで哲学する心(平井靖史先生)


平成30年度第12回目の「教員記事」をお届けします。哲学の平井靖史先生です。
今回は,人間の認識を理解する上での時間的スケールの観点を取り入れることの重要性に関するご自身の研究を紹介していただきました。



スケールで哲学する心
     平井靖史(哲学

 今朝はずいぶん冷え込んだのだが、日が昇ってからぐんぐん暖かくなってきた。いい気分で散歩を終えて家に戻ると、夏に再会した友人からメールが来ている。「めっきり冷え込んできましたね」。たしかに、今年はずっと暖冬だと思っていたが、この10日ほどで一気に冷え込んできた。でもそこで、暖かくなってるのか冷え込んでるのか、どっちが「ほんとう」だ?と悩む人はいないですよね。単にスケール(規模)が違うだけのこと。数時間のスケールでは暖かくなっているけど、季節のスケールでは寒くなっている、ついでに言うなら数十年のスケールではさらに逆転して、気温は上昇していたりします。

 さいきん、スケールの哲学というものを考えています。心の哲学では、なぜ脳を解明しても人が経験する主観的な「感じ」(クオリア)は説明できないのか(心身問題)とか、かつては物質しか存在しなかったはずのこの世界に、意識や心はどうやって生じたか(心の発生の問題)、という問いを扱います。こうした問題の難しさは、科学が扱う物質の振る舞いと、私たちの経験の主観的な質とが、非常に折り合いが悪いところから来ています。例えば目に入ってくる光が750ナノメートルの波長の電磁波だと説明できても、そこから、その光を実際に見たときに僕が経験する、あの「赤色の感じ」までにはずいぶんと隔たりがあります。なぜ750ナノメートルだとこんな(赤い)感じなのに、同じ電磁波が、少し波長が短くなって550になるとあんな(緑の)感じになるのだろう?物質は方程式で記述できて、どこでも同じように計算通り振る舞います。でもそこから、その経験が「どんな感じ」になるかは物理的には予測できません。一方は数量的・客観的で、他方は質的・心的です。二つの性質は水と油のようで、手詰まり感があります。

 でももしかしたら、ここにスケールの観点を持ち込むことで、新しい問題の立て直しができるかもしれません。気温の「上昇」と「下降」は、文字だけみると、互いに矛盾していて同時に両立しないかのように思えますが、上に見たように、時間スケールが違えば両立します。そしてじっさい、人間がものを認識する時間スケールと、物理学者が電磁波を記述するときのそれはずいぶん違いますよね。まずは、そこがこのアイデアの入り口です。

 ただ、そこから先は簡単ではありません。ちょっと専門的になってしまいますが、単に「観察上の」時間スケールの話だけでは済まなくて、「内在的な」時間スケール[1]の話をする必要があるからです。ここで詳しくお話しすることはできませんが、生物の身体には、それ固有の「内在的な」時間スケール(外から人がどう観察するかというのとは関係なしに、自分でもっている時間スケール)というものがあります[2]。しかもひとつの身体内部でも分業化が進んでいて、それぞれがまた異なった時間スケールで動いています。そうすると、人間という生物が光を見るという経験は、複数の異なる内在的時間スケールにまたがる(普通より複雑な)現象ということになります。ここから、「凝縮」という一種の時間圧縮効果が生じるのでは、というのがベルクソンの凝縮仮説です。昨年の記事で、研究プロジェクトの舞台裏の話をしましたが、今年はちょっと内容の話をしました。

 一日がよくても、一年がよいとは限りません。一年がよくなくても一生がよくないとは限りません。それでも皆さんにとって2019年が、よい一年になりますように。

[1] Lesne, A. (2017), “Time Variable and Time Scales in Natural Systems and Their Modeling » in Bouton, Ch. and Huneman, Ph. (eds.) (2017), Time of Nature and the Nature of Time, Springer.
[2] ハエの視覚の時間分解能は150Hz(人間はおよそ4-50Hz)と言われます。ハエには「点滅」して見えている蛍光灯(西日本では毎秒120回点滅しています)が、人間に「点灯」して見えるのはそのためです。