「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の平井靖史先生です。
最近のガンプラはすごく良くできていて、買ってきてパチパチ組み立てるだけで、スタイル抜群&ぐりぐり可動するかっこいい模型があっという間にできます。大まかにプラの色分けもされてて、塗装の必要もない。すごいなあ。そこでちょっとひと手間かけて、「墨入れ」をしてあげると、さらにリアルに仕上がります。ガンダムの表面で筋彫りされているところに、筆ペンみたいなやつで線をなぞってあげると、本物感が増すんです。筆ペンで済むので片付けもいらないし、お手軽なのでおすすめです…。
というわけで、今回はガンプラの話を——。というわけではなくてですね、リアルってどういうこと?というお話です。今、ガンプラのリアルって話をしたんですが、ガンダムってそもそも実在しないですよね。いや、今は実在するので(実物大で動くガンダム立像が日本各地に存在します)話がさらにややこしくなるんですが、とりあえずは元がフィクションだという意味です。例えば元が実在する…そうですね、ルンバにしましょう。お掃除ロボットルンバ。さて、ルンバのプラモデルがあるとしましょう。5分の1スケールとか?その場合、ルンバのプラモをリアルに作るというのは、おうちで働いているあの実在のルンバに似せていくという意味合いですよね。ところが、ガンダムは、それがないわけです。地球連邦軍が作った、アムロが乗ってる「あの実在のガンダム」はないわけです。オリジナルが存在しないモデルについて、それがリアルだとかそうじゃないって、いったいどういう意味なんでしょうか。