2021年7月31日土曜日

「海の日」シンボルマークと豊増秀男さん

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、西洋近現代美術史、ドイツ美術の落合桃子先生です。


 東京オリンピック競技大会の開催に伴い、今年は「海の日」が7月22日(木)に移動しました。翌23日(金)の「スポーツの日」と合わせ、4連休となりました(福大では5月に臨時休講があったため、祝日授業日になりました)。

 「海の日」は、1995年に制定された国民の祝日で、1996年から始まりました。これを記念して「海の日」のシンボルマークが作られています。

 

2021年7月21日水曜日

西洋文学に見る誕生への呪詛と慨嘆

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学・宗教学の小笠原史樹先生です。


今年度、前期の共通教育科目「宗教学A」では、「悪魔と近現代の神話」というサブタイトルで、悪魔に関わる西洋近現代の文学作品を扱っている。相変わらずの自転車操業で授業準備を進めながら、16世紀のクリストファー・マーロー『フォースタス博士』から始めて、この記事を書いている今週(7月13日現在)は、ようやく19世紀後半、ブラム・ストーカー『ドラキュラ』まで辿りついて、何とか終わりが見えてきた。

ところで、授業の準備をしていると、様々な作品の中に繰り返し「生まれてこなければよかった」という慨嘆が見られて、その度に軽い驚きを覚える。ありふれた表現ではあるのだろうし、大して驚くべきことではないのかもしれないが、それにしても多い。このような誕生への呪詛や慨嘆と、悪魔との間に何か関係があるのだろうか、と考えてみたくなる程に多く、とはいえ、特に関係なさそうな気もする。

2021年7月14日水曜日

世界中の美術館をバーチャル訪問してはいかがですか。

  「 教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、西洋美術史の浦上雅司先生です。


 コロナ禍も2年目に入りましたが、その収束はまだ見通せません。日本でも東京都など緊急事態が改めて宣言され、オリンピックもほとんど無観客で行われることになりました。福岡では7月12日から制限が解除され、飲食店は通常営業できることになりましたが、しばらくするとまた感染者が増加するのではないでしょうか。

 コロナ禍のため、世界中の美術館も、昨年度は多数が長期にわたって閉館されていましたが、一年経って入場制限や検温、マスク着用義務化などの条件をつけて開館するところも増えています。美術館というところは元々、サッカー競技場や野球場のように大騒ぎするところではありませんから、開館の判断は間違っていないでしょう。福岡でも、福岡市美術館やアジア美術館、福岡市博物館なども開館していて、美術愛好家には嬉しいところです。

 残念ながら、海外の美術館を自由に訪れる機会はまだしばらくなさそうですが、幸いなことにインターネットで、世界中の主要な美術館・博物館をバーチャル訪問できるようになりました。全体のポータルになっているのはグーグルが提供しているアートアンドカルチャーというサイトです(https://artsandculture.google.com/?hl=ja)。