2021年11月12日金曜日

オンライン・オープンキャンパス2021

 昨年に引き続き、残念ながら、今年の来場型(対面形式)オープンキャンパスも中止となってしまいました。ただし、当日(8月8日)はオンライン模擬講義がライブ配信され、文化学科からは竹花洋佑先生が「SFを使って”働くこと”を哲学してみる」と題してお話くださいました。

 当日140名以上の人に視聴されたオンライン模擬講義。「うっかり見逃してしまった!」という方は、是非、下記のリンクより見逃し配信(オンデマンド動画)をご覧ください。

「SFを使って”働くこと”を哲学してみる」竹花洋佑先生

https://www.youtube.com/watch?v=gN4t6X4MrGc



 また、文化学科ではどんな授業を受けられるの?と思っているあなたは、本年度学科主任の植野健造先生による「文化学科紹介」の動画もぜひご覧ください。

「文化学科紹介」植野健造先生

https://fukuoka-u.libra.jpn.com/#/content/158


 奥行きのある文化学科をもっと探検してみたい人は、ぜひ昨年度のオンライン・オープンキャンパスも開いてみてください。Q&A形式で、さまざまな魅力に触れることができます。

「文化学科オンライン・オープンキャンパス」

http://culturefukudai.blogspot.com/2020/08/blog-post_26.html


2021年11月5日金曜日

昆虫食の心理学

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、心理学の錢琨先生です。


 文化学科の錢琨(せん こん)です。下の名前「琨」は常用漢字ではないので,いつも人を困らせています。ただし,この漢字をぜひ覚えてください。文末にオチがあります。

さて,みなさん,虫を食べたことありますか?授業に間に合わなく,一生懸命チャリを漕ぐ時に口に飛び込んだ虫とは違って,お料理として食べる虫(=昆虫食)のことです。今日は,昆虫食について少しお話しします。

2021年10月29日金曜日

卒業生(LC17台)の石丸翔梧君が科捜研研究員に

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、心理学の大上渉先生です。


 先日,嬉しい報せが届きました。文化学科を今年3月に卒業した石丸翔梧君(LC17台)が大阪府警の科学捜査研究所の採用試験に最終合格したのです。来年(2021年)4月に大阪府警科捜研の人文科学研究室に配属され,文書鑑定担当の研究員になる予定です。文化学科の卒業生が科捜研の研究員として採用されるのは,私の着任以降,内山朋美さん(現・長崎県警科学捜査研究所研究員)に続いて2人目です。

2021年9月1日水曜日

日本神話にまつわる小話:「千人」対「千五百人」

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、宗教学の岸根敏幸先生です。


 古事記神話の記述によれば、イザナキは妻イザナミに会おうと黄泉国を訪ねたものの、変わり果てたその姿に驚き、そこから逃げ去ろうとしました。その際、ヨモツシコメなどといった魔物的な存在からの追撃を何とか振り切りましたが、最後に立ちはだかったのはイザナミ本人でした。そこで、「事戸を度す」ことになります。「事」は「別」に通じ、「戸(ど)」は「祝詞」の「と」と同様に、言葉のもつ特別な力(言霊)を念頭に置くものでしょう。つまり、「事戸を度す」とは、呪力を用いて、死者に二度と戻って来ないよう言い渡したのです。ただし、日本書紀神話の伝承の一つに「絶妻之誓」(この四文字で「ことど」と訓読します)という記述があるのを根拠に、イザナキがイザナミに離縁を言い渡したと捉える説もあります。

 その時、二人の間で次のような会話が交わされました。
  イザナミ:如此為(かくせ)ば、汝が国の人草、一日に千頭絞(くび)り殺さむ。
  イザナキ:汝然為(なれしかせ)ば、吾、一日に千五百の産屋を立てむ。
 このようなやりとりがあったため、「一日に必ず千人死に、一日に必ず千五百人生まるるなり」ということになったとされます。ここで示されている「千人」と「千五百人」の対決が今回のテーマです。

 この「千人」「千五百人」は各々「ちたり」「ちいほたり」と訓読しておきます(「ち(の)ひと」「ちいほ(の)ひと」と訓読する説もあります)。「たり」という語は、人間を数える時、数に添えるもので、文法的には「助数詞」と呼ばれているものです。今でも使われる「ひとり」「ふたり」は、「ひとたり」「ふたたり」の音韻縮約形である可能性が考えられます。日本語ではこの助数詞が非常に発達していて、同じ対象を数えるにしても、その様態に応じて、助数詞を使い分けることがあります。例えば、生きている人間ならば、「一人」「二人」ですが、死んでしまえば、「一体」「二体」となり、骨になれば、「一柱」「二柱」となります。

2021年8月23日月曜日

私がワクチンを接種する理由

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、社会学の開田奈穂美先生です。


新型コロナウイルスの感染状況が悪化し、福岡県でも過去最多の感染者数を記録しています。学生のみなさんはワクチン接種はできたでしょうか?

私は福岡大学の学生と教職員が接種可能になった7月上旬に1回目の接種をし、8月上旬に2回目の接種まで終えました。2回目の接種時の副反応が重いと聞いていたので、事前に準備をして身構えていました。しかし結果的には、接種当日の深夜に体の痛みで鎮痛剤を飲んだのと、翌日夕方にすこし発熱した程度ですみました。

2021年7月31日土曜日

「海の日」シンボルマークと豊増秀男さん

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、西洋近現代美術史、ドイツ美術の落合桃子先生です。


 東京オリンピック競技大会の開催に伴い、今年は「海の日」が7月22日(木)に移動しました。翌23日(金)の「スポーツの日」と合わせ、4連休となりました(福大では5月に臨時休講があったため、祝日授業日になりました)。

 「海の日」は、1995年に制定された国民の祝日で、1996年から始まりました。これを記念して「海の日」のシンボルマークが作られています。

 

2021年7月21日水曜日

西洋文学に見る誕生への呪詛と慨嘆

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学・宗教学の小笠原史樹先生です。


今年度、前期の共通教育科目「宗教学A」では、「悪魔と近現代の神話」というサブタイトルで、悪魔に関わる西洋近現代の文学作品を扱っている。相変わらずの自転車操業で授業準備を進めながら、16世紀のクリストファー・マーロー『フォースタス博士』から始めて、この記事を書いている今週(7月13日現在)は、ようやく19世紀後半、ブラム・ストーカー『ドラキュラ』まで辿りついて、何とか終わりが見えてきた。

ところで、授業の準備をしていると、様々な作品の中に繰り返し「生まれてこなければよかった」という慨嘆が見られて、その度に軽い驚きを覚える。ありふれた表現ではあるのだろうし、大して驚くべきことではないのかもしれないが、それにしても多い。このような誕生への呪詛や慨嘆と、悪魔との間に何か関係があるのだろうか、と考えてみたくなる程に多く、とはいえ、特に関係なさそうな気もする。