2014年2月5日水曜日

河口綾香 2007(平成19)年卒業


口綾香 2007(平成19)年卒業 福岡市博物館学芸員(民俗担当)



略歴
 2007年福岡大学人文学部文化学科卒業、2009年福岡大学人文科学研究科社会・文化論専攻修了。2010年10月福岡市博物館学芸員、民俗担当。
 出身は筑後国。
 
自己紹介
 子供の頃からの夢―『博物館で仕事がしたい!』―叶った瞬間、涙が出ました。
 学芸員ってどんな仕事なの?簡単に言うなら、博物館が所蔵する資料(文化財)を収集し、調査研究し、展覧会などを通じて公開することが主な仕事の専門職のことです。福岡市博物館には考古・歴史・民俗・美術の4分野があり、私は主に福岡のくらしを研究する民俗を担当しています。
 この道へ進んだきっかけは、白川教授の文化人類学のゼミ。「線香と蝋燭をもって神社に参拝する」という「当たり前」のことが、他のところでも当たり前とは限らないと知った時。私自身がどんな文化の中で暮らしていたのかを考えさせられたことにあります。文化学科と大学院では自文化をどこまで捉えることが出来るのか、その可能性を「祭り」と「女性」と軸に研究してきました。もっと土地に息づく文化の研究をしたい、そうして今に至ります。
 今の私があるのは、苦楽を共にした友人・先輩・家族、そしてなによりも8年に渡り熱心にご指導くださった白川教授あってこそだと思っています。今でも壁にぶつかった時は福大へ足を運びます。温かく迎えてくださる先生がいらっしゃるのも文化学科で良かった!と思えるところです。
 現在、2013年11月の常設展示リニューアルオープン(約20年ぶり!!)へ向け奮闘中です。自分が携わった展示が何十年と残ることに期待と不安を感じています。是非皆さんにも学芸員たちが魂を込めた展示を是非みてもらいたいです。


関連リンク 
 福岡市博物館HP http://museum.city.fukuoka.jp/


指導教員から一言
 ただ単に文化人類学・民俗学を専攻する、つまりゼミで勉強するだけでは、博物館学芸員になれるわけではありません。河口さんは入学当初から学芸員になるという夢をもっていましたが、どうやってその夢を実現したか、彼女の特徴に因んで述べてみたいと思います。まず、大変な「頑張り屋」であること。通常の授業以外に博物館学芸員コースの実習を伴う授業をとらなければなりません。卒業論文は言うに及ばず、大学院に入学してからは、質量共に優れた修士論文を書き上げ、その他の学術論文も出しました。相当な頑張り屋である彼女だからこそできたことだと思います。次に、徹底した「フィールドワーカー」であったこと。フィールドワーク(現地調査)は、文化人類学の鍵です。彼女は自分の故郷をフィールドに選び、徹底的に狭く、そして深く調査することで優れた「民俗誌」を完成させました。難関である博物館学芸員の試験を突破できた大きな要因は彼女のフィールドワーカーとしての力にあったと思います。彼女はこうして文化のプロとなったのです。彼女の後に続きたいと思っている人は、是非共に学び、頑張りましょう。

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