2019年12月22日日曜日

LC哲学カフェ開催:現代サーカスで哲学する

12月1日日曜、LC哲学カフェが開催されました。今回は列車を乗り継ぎ、福岡市東区千早の「なみきスクエア」へ。午後3時から下記を鑑賞し、その後、施設内の飲食店で議論しました。

 第56回福岡市芸術祭メイン事業
 フィンランド×日本 現代サーカス交流プロジェクト「Air/エアー」
  http://www.ffac.or.jp/ff/(外部サイト)

参加者は学生さんが5名程度、教員が1名。鑑賞前に「サーカス」という言葉でイメージしていたものとはかなり異なる「芸術的」なパフォーマンスで、鑑賞後の哲学カフェでは直ちに「これはサーカスなのか、そもそもサーカスとは何か、現代とは何か」などが話題になりました。琵琶(?)などの「東洋的な」楽器を使った音楽も「サーカスっぽくない」ように感じられるし、とにかく「芸術的」。一つ一つの場面や動作が、何かを象徴している? あるいは解釈しようとせずに、動きそれ自体として見るべき……?

私も未だ、この体験をどのように表現すべきか、うまく言葉が見つからないでいるのですが、いずれにせよ、今まで自分があまり触れてこなかったタイプのものに触れている、という「戸惑い」を覚えたことは確かで、この感覚を大切にしたい、と思ったりしています。

なお、以前もお伝えしたように、大学の外で哲学カフェを開催する際には、大学内での開催の場合と異なり、日程などについては予め、参加希望者の間でのみ相談・告知しています。今後の開催予定などについて興味のある人は、小笠原まで気軽にご連絡下さい。

2019年度「先輩と語る」が開催されました


福岡大学ステップアッププログラムの一環として、11月29日金曜の18時から、A811教室で「先輩と語る」というイベントが開催されました。参加者は学生さんが6名、卒業生が1名、教員が1名。

講師は、2018年度卒業の水落文佳さん。水落さんは現在、福岡で日本語教師として働かれています。イベントではその実体験に基づいて、日本語学校での実際の仕事内容や、教え子たちとの様々なエピソード、さらには在学中の就職活動のことなど、具体的で貴重なお話をお聞かせいただきました。

イベントの後半には質疑応答の時間を設けましたが、イベント終了後の教室でも、参加した学生さんの半数程度が、個別に水落さんに相談して話を聞く、という様子が見られました。日本語教師を目指している人や、目指そうかどうか迷っている人などには、特に有益な会になったように思います。

この「先輩と語る」というイベントは、来年度以降も開催される予定です。興味のある人は、ぜひご参加下さい。

2019年12月3日火曜日

令和2年度文化学演習の所属希望調査について(連絡)

《重要》令和2年度 文化学演習所属希望調査について


◆令和2年度 新2年生(LC19台)・再履修者各位
 令和2年度の文化学演習Ⅰ、文化学演習Ⅱの所属希望について、下記の要領で提出してください。

◆令和2年度 新3年生(LC18台)・新4年生(LC17台)・再履修者各位
 令和2年度の文化学演習ⅢⅣ、文化学演習ⅤⅥの所属希望について、下記の要領で提出してください。

記
  1. 演習Ⅰ・Ⅱ(LC19台および再履修者)については、配布された「演習所属希望調査票」を前期と後期で各1枚提出してください(再履修を除くと、各自2枚提出)。
  2. 演習Ⅲ-Ⅳ、Ⅴ-Ⅵ(LC18台・LC17台)については、配布された「演習所属希望調査票」を前・後期通じて合計1枚提出してください(再履修を除くと、各自1枚提出)。ただし、再履修の場合は1科目(半期)ごとに1枚提出してください。
  3. 提出先は文系センター棟低層棟1階のレポート提出ボックスです(下記案内図参照)。
  4. 提出期間は 令和2年3月16日(月)~18日(水) 12:00  <厳守> です。提出がない場合や期限に遅れた場合は、教務・入試連絡委員が所属を決定します。 ※何らかの事情で上記の期間中に提出できない場合は、事前に教務・入試連絡委員(藤村・林)へ相談してください。
  5. 決定した演習の所属は、3月21日(土)までにFUポータルと人文学部掲示板で発表します。
  6. 演習所属に関する問い合わせは、教務・入試連絡委員(藤村・林)まで。

※注意事項
  1. 演習ⅢとⅣ、ⅤとⅥは前期と後期で同一教員の演習に所属することになります。
  2. 演習の所属は原則として本人の希望に基づいて決定します。ただし、希望人数が定員を超える場合は、本年度の成績に基づいて調整します。
  3. 各演習の内容については、3月上旬以降にFUポータルでシラバスを閲覧することができます。『文化学科 教員紹介』も参考にしてください。
  4. 登録制限科目を履修する場合、所属する演習の開講曜日・時限と重複しないように注意してください。
  5. 再履修が必要な場合、必要な用紙を別途用意し、「再履修」欄に必要事項を記入して提出してください。
  6. 「演習所属希望調査票」が手元にない場合は下記リンク先からダウンロードしてください。3月には、FUポータルからもダウンロードできるようにする予定です。ダウンロードした用紙は、配布したものと色が違う場合がありますが構いません。


2019年11月18日月曜日

令和元年度 卒業論文発表会開催のお知らせ

 下記の日程で、今年度の卒業論文発表会を開催します。

 日時 1月29日(水)13:00~16:00 ※開催時間は若干変更の可能性あり
 場所 文系センター棟15階、第5,6,7会議室

 詳しい発表形式やプログラムなどについては、改めて後日、このブログ上で告知します。四年生はもちろん、一年生から三年生の皆さんもぜひ会場へ足を運び、先輩方の研究成果を確認してみて下さい。

 何か不明な点があれば、教務連絡委員の林か藤村まで。

卒業論文発表会関連記事
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 平成30年度卒業論文発表会が行われました

2019年11月15日金曜日

海女がつくる里海

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、文化人類学の中村 亮先生です。


中村亮

日本に特徴的な沿岸資源の利用・管理として「里海」がある。これは、里海研究の第一人者である柳哲雄氏によると「人が手を加えることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」のことである。人が資源を利用することでかえって自然が豊かになるのだ。
里海の事例として、沖縄や九州地方の「石干見(いしひみ)」がある。石干見とは、干満差の大きい沿岸部に岩を馬蹄型に積んでつくった漁具である。干潮時に石干見内に逃げおくれた魚を捕獲する日本の伝統漁法である。沿岸に積まれた岩の隙間を棲み処として新たな生物が石干見周辺に増えることで、生物多様性が促進されるというわけだ。
このような、人と自然とが密接にかかわる里海を、福井県の海女文化に探していた。私が福井県里山里海湖研究所の研究員であった2014~2018年にかけてのことである。私の大叔父が男海女(海士)だったこともあり、かねてから海女に興味をいだいていた。調査が少しずつ進むうちに、海女による里海的な資源利用を発見することがきたので、ここに紹介したい。
福井県坂井市三国町の雄島半島には、米ケ脇、安島、崎、梶の四つの海女村がある(図1)。四村合わせて54人の海女がおり、平均年齢は約70歳(2017年)と、海女の高齢化がすすんでいる。海女は、5~9月にかけて、ワカメ、サザエ、アワビ、ウニをとり、冬場に岩ノリをとる。漁期は福井県漁連によって定められているが、各海女村はさらに厳しいルールを「申し合わせ」によって独自に設けている。たとえば、県漁連の規定ではサザエは6月1日からとっても良いが、安島では6月25日をサザエの解禁日としている。とっても良いサイズも決まっており、小さいものはリリースされる。
このように、「とり過ぎない」ことで資源を管理するのも保全の方法である。しかし、私が着目していたのは、資源を「利用しながら守り育てる」という里海的資源利用であった。そして、そのような資源利用を、ウニ漁における「岩おこし」にみることができたのである。
安島ではウニ漁は毎年、7月22日から8月20日の30日間おこなわれる。しかし実際は、悪天候などにより、10日ほどしかウニ漁はできないという。とげの短いバフンウニは日中、岩と海底の隙間や岩下にひそんでいる。海女は岩をひっくり返しながらウニをとる。ウニをとるために岩をひっくり返すことは「岩おこし」と呼ばれる。海女は漁のあいだ岩おこしを何回もくり返す。もちろん岩おこしはウニをとるための行為であるが、このとき同時に、岩の上や海底との隙間に堆積した砂を取り払うことにもなる。ここに私は、里海的資源利用を見出すのである。
なぜならば、岩おこしで岩の表面に堆積する砂が取り払われることによって、海藻が岩肌に生えることができる。ウニやサザエの餌となる海藻の生長が促進されるのである。また、岩と海底との隙間にたまった砂が除かれることによって、ウニの生息場所も確保される。つまり、岩おこしというウニをとる行為が、同時に、ウニの餌を育て、ウニの生息環境を整備することにつながっているのである。これはまさに「里海」と呼ぶことができる資源利用ではなかろうか。
海女自身も岩おこしの効用をじゅうぶんに意識している。もしも岩おこしによる人為的な海のかく乱がなかったら、九頭竜川河口域に位置する漁場は砂で埋まってしまうだろう。河口域に最も近い米ケ脇の海女は「海も畑とおなじように耕さないとダメになる」ともいう。海女は、自分たちが沿岸環境を「守り育てている」という意識をしっかりともっているのだ。このような意識が、資源の持続的利用にとって必要なのである。
私は、沿岸の資源や地形認識、季節ごとの変化などの知識・知恵を所有し、資源利用の当事者であり、かつ、積極的に資源の管理にも努めている海女をふくむ漁民が、沿岸環境保全の主体者であるべきだと考えている。しかし近年、主体者であるべき漁民の存続が危ぶまれている。少子高齢化や担い手不足は、日本の沿岸漁業に共通の問題である。この問題を解決するためにも、まずは地域固有の沿岸資源利用についてしっかりと理解する必要があるだろう。そこには、海の豊かさを持続的に利用するために学ぶべき、先人の知恵と技術と思想があるからだ。



図1.福井県坂井市三国町の雄島半島の海女村


漁場に向かうベテラン海女
(安島にて、2016年7月中村亮撮影)



昔ながらの木の桶を使用したサザエ漁
(安島にて、2016年7月中村亮撮影)

「先輩と語る」開催のお知らせ

福岡大学ステップアッププログラムの一環として、下記の通り、「先輩と語る」というイベントを開催します。

 日時 2019年11月29日(金)18:00-19:30
 場所 A811教室
 講師 水落文佳 氏(日本語教師、LC15台、2018年度卒業)

水落文佳さんは小笠原ゼミに三年間所属し、宗教学を中心に学習。インドネシアに短期間滞在した経験などから宗教文化への関心を深め、東南アジアの宗教に関する卒論をまとめました。文化学科での授業と並行して、日本語教員課程を履修・修了。現在は福岡で日本語教師として働かれています。

この会では、まずは前半、水落さんから就職活動や現在の仕事のことなどについてお話しいただき、後半は参加者を交えて、自由な質疑応答を行いたいと思います。あまり堅苦しくならないようにするつもりですので、何となく卒業生の話を聴いてみる、気になっていることをちょっと質問してみる、という程度の気持ちで、ぜひ気楽にご参加を。

就活中の上級生などはもちろん、一年生の参加も歓迎。特に、日本語教師の仕事に関心を持っている人や、日本語教員課程の履修を考えている人などは、参加してみると良いかもしれません。文化学科以外の学生さんの参加も歓迎です。

事前の登録などは不要。途中入室、途中退室も自由です。不明な点などについては、小笠原までお問い合わせ下さい。

徐々に寒さが増し始めるはずの頃、何か、温かい飲み物でも持参するのがおすすめ。

2019年11月5日火曜日

LC哲学カフェ開催:パレードとアートで哲学する


昨日、11月4日月曜、LC哲学カフェが開催されました。今回は下記二つのイベントに参加し、その後、六本松の某カフェで議論。参加者は学生さんが2名、他大学の学生さんが1名、教員が1名。

 九州レインボープライド2019
 https://9rp.biz/(外部サイト)

 公開講座「人と人との境界を問う――ダムタイプ《S/N》上映&トーク」
 https://9rp.biz/1661/(外部サイト)

公開講座の後のカフェに限らず、その時々に、様々な話題が出ました。パレード開始前の公園の芝生上で、このパレードの持つ「政治性」について考えたり、パレード後の食事中には、いわゆる「心の性」とは何かという問題や、同性婚や選択的夫婦別姓について議論したり、夜のカフェでは、今観た作品の感想や解釈について話し合ったり、等々。私個人は、カフェでの「未来のラブソング」に関する議論(異性愛を前提しない「未来のラブソング」とはどのようなものか?)が印象に残っています。

さて来月も、大学の外での哲学カフェ開催を予定しています。大学内での開催の場合と異なり、日程などについては予め、参加希望者の間でのみ相談・告知していますので、興味のある人は、小笠原まで気軽にご連絡下さい。