文化学科の留学生活
LC15台 古 卓朗
皆さん、こんにちは! 文化学科4年生の古です。留学生として、文化学科に入学してから経験したこと、そして勉強したことをシェアしたいと思います。
私は香港出身で、2014年に来日し、2015年文化学科に入学しました。驚いたのは、文化学科の中で留学生は私のみだったことです。しかしそのおかげでたくさんの同期の友達ができました。外国人が日本で勉強する際は、友達が作れるかどうかは心配の一つです。文化学科の皆は、私に対して優しくて非常に大切にしてくれましたので、入学時の不安はすぐになくなりました。さらに新入生のためのガイダンスゼミナールや歓迎会
(今年度のものはこちら)なども行われ、その機会を通じて先生たちとも話し合えて、同級生と一緒に発表を準備しながら、お互いの関係を深めることができたのは、留学生の私にとって、とても楽しい経験でした。
文化学科の一つの特徴は、1年生から4年生まで毎年、演習形式のゼミがあることです。特に、2年生からは、自分の興味のある分野を専門とする先生のゼミを選ぶことができます。私は2年生の前期は平井先生の哲学ゼミ、後期は藤村先生の地理学ゼミを受講し、どちらの授業でも非常に楽しみながらたくさんのことを学びました。平井先生のゼミでは、人間の記憶方法について知るために脳の動きや反応などについて勉強しました。たとえば、授業中にパソコンでパワーポイントを作成し、スライドの動きや速さに関する実験を行って自分自身で脳反応の速さを体験しました。さらに夏休みには、ゼミの皆と一緒に長崎の軍艦島へ旅行し、よい思い出を作ることができました。地理学を専門とする藤村先生のゼミでは、人口や統計データなどを分析するために、エクセルの使い方を勉強しました。私のような日本で就職したい外国人留学生にとって、日本語以外の技能を習得すると、内定取得のチャンスが増えますので、藤村先生の授業で勉強したことは、就職活動を進めていく上で非常に役に立ちました。
(2年生のとき、平井ゼミで長崎の軍艦島に旅行をしました。皆と一緒に出掛けて非常に楽しかったです。後列右から3番目が私です。)
私が留学生として、文化学科に入学したのは、日本など異文化を理解し、自分自身の知識を深めて将来の仕事に役立てたいと考えたからです。文化学科2年生の必修科目「哲学の基礎」で、宮野先生の話された「哲学は、当たり前のことを疑う」という言葉は、私の座右の銘になりました。学問や自分自身の生活で様々な出会いを経験し、人と交流する際、自分の理解と違う考えを勉強して、知識がさらに広がると思います。その一つのきっかけとして、3年生から今まで古代中国哲学を専門とする中村未来先生のゼミを選び、私が生まれ育ってきた中国文化は、日本でどのように考えられているのかを学んでいます。授業では、中国古文などの読解が中心です。香港の高校で学んだことも活かして、ゼミの参加者は疑問などがあるときも、自分自身の知識を活用して答えられますので、先生のゼミに参加して非常によかったと思います。また、中村ゼミでは、大分県日田市にある咸宜園〔かんぎえん:江戸後期の儒学者・廣瀬淡窓が開いた私塾〕を訪れました。私たち最初は日田市内で観光し、ご当地のグルメを満喫してから、咸宜園で文化体験をし、紙を糸で綴じた和本や印鑑を作ったりしました。文化学科に入ったからこそ、こんなにゼミ旅行や実践学習のチャンスが多いと思います。留学生の私にとって、これらは非常に貴重な学びの場となりました。
(3年生のときの中村ゼミでは、日田市の咸宜園へ旅行しました。右端が私です。)
また、人文学部の留学生は、1年生と2年生のときに、必修科目として、大学での学習に必要な日本語能力を高めるための「日本語」という授業を取ることになっています。この授業を通じて、大学の授業を理解したり発表を行ったりする際に必要な水準の日本語を学べます。特に、2年生の「日本語」の授業は、就職後に職場などで利用する日本語やマナーなども勉強できて、日本で就職したい留学生にとって非常に役に立つ授業でした。さらに、留学生は少ないからこそ、すぐ友達になり、立場は同じなのでお互いにこの4年間の学習を支える仲間になります。
(留学生の友達と文化学科の友達とで一緒に遊びに行きました。お互いにふれあうことで、異文化を理解することができます。学生生活の楽しい思い出の一つです。)
文化学科に入って、外国人の私は、自分自身の出身とは違う異文化に出会いました。そして学問や学友との交わりを通じて、お互いが理解しあえることを学びました。最近、私は、日本のある大手企業からシンガポール海外駐在事業の内定をもらいました。これも、文化学科で学んできた成果の一つです。残りの学生生活を大切にしながら、さらに学びを深めていきたいと思っています。
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