2016年7月14日木曜日

熊本地震被災地で足湯ボランティアに参加して

 今年度4回目の学生記事をお届けします。LC14台の三重野春菜さんと西江友希さんが本多康生先生と参加した、熊本地震被災地の西原村での足湯ボランティアについて報告してくれました。本多先生のご報告「 熊本地震被災地の西原村で学生達と足湯ボランティアに従事して 」もぜひご覧下さい。


足湯ボランティアについて

LC14台 三重野春菜

 5月21日の土曜日、私は熊本県の西原村へ足湯ボランティアに行ってきました。西原村は4月16日の熊本地震により、大きな被害を受けた地域の一つでした。文化学科の本多先生の呼びかけにより、学部も学科も違う11名の学生が集まり、朝7時10分に西原村へ出発しました。

 西原村に着いたのは午前9時半でした。そこで被災地NGO協働センターの増島さんと合流し、足湯の仕方を教えていただきました。足湯ボランティアの主な目的は、被災地の方々にリラックスしていただくことと“つぶやき”を聞き取ることでした。被災者は相談したくてもしにくい状況にあるため、辛いことも溜め込んでしまうことがあるそうです。そういったことを私たちボランティアが聞き取り、行政に相談することにより被災者と行政をつなぎ復興に役立てるという役割があるそうです。

 10時からは2チームに分かれ足湯提供に移りました。私たちのチームは避難所を2ヶ所回ったのですが、どちらの避難所もいらっしゃるのはお年寄りと子供たちばかりで、多くの方々は家の片付けや畑など外に出かけているようでした。

 足湯を行っている中で、皆さんが話してくださるのは西原村の良いところや、私たちボランティアに対するお礼などが多かったのですが、その一方で地震が起きた時の様子や長期の避難所での生活の不安や大変さを教えてくださる方もいらっしゃいました。

 実際に被災地に行って話を聞き感じたことは、皆さん長期の避難所での生活に疲れてきていることや、家が崩れ今後の生活に不安を持っていることでした。地震からすでに1ヶ月経っていますが、今後も復興にはまだまだ時間がかかるそうです。また今後被災地では緊急的な物資の支援から精神的、身体的な支援へと移り変わっていくのだろうと感じました。その中で大学生の私たちがいま精一杯できる支援として、今後も足湯ボランティアを続けていきたいと思いました。



足湯ボランティアに参加して

LC14台 西江友希

 5月21日(土)早朝6時50分という少し早い時間に総勢11名の学生と教員が集まりました。4月の震災で被害を受けた熊本の西原村への足湯ボランティアに参加するためです。1日の流れとして、まず9時半に西原村災害ボランティアセンターに到着し、足湯講習を受けました。その後2班に分かれて足湯提供を行うことになり、私は河原小学校避難所へ行きました。河原小学校避難所には、131名の被災者が避難をしていました(5月19日20時現在)。私はこのようなボランティアに参加するのは初めてで、うまく足湯提供ができるか少し不安でした。


 ここで、足湯の効果について少し触れたいと思います。まず足湯とは被災者の方に足を湯につけてもらいながら向き合って手をとり、さすり、そしてお話を聴きます。こうして被災者の苦しみや悲しみに寄り添い、こころの苦しみを聴き取り、それを被災者の『つぶやき』として受けとめることで、心身ともにリラックスしていただくことができます。

 河原小学校に到着して最初に感じたことは、集団生活におけるプライバシーの無さでした。個々のスペースの仕切りは想像していたよりもはるかに低く、普通に歩くだけで中が丸見えの状態でした。避難してしばらくはその仕切りすらもなかったそうです。わたしは河原小学校で4人の被災者に足湯を提供させていただいたのですが、やはり「集団生活はルールも多いし、言いたいことも言えなくてストレスが溜まる」という声を多く聴きました。中には、「実際には揺れていないのに揺れているような感覚がして怖くてなかなか夜眠れないんだよ」という声もありました。笑顔でお話をしていても、地震の話になると顔がこわばっていて、とても怖かったんだなということを感じさせられました。足湯が終わった後は皆さんに笑顔で「ありがとう、気持ちよかったよ」と言ってもらえて、お話を聴くことしかできなかったけど少しは力になれたのかなと思い、嬉しく思いました。

 今回の足湯ボランティアで、テレビで見るのとは違う被災者の生の声を聴くことができ、わたしたちにできることはなんだろうということを深く考えさせられました。支援者の一方的な支援の押し付けになるのではなく、被災者の声を聴きながら被災者の望む、本当に必要な支援をしていくことが大切だと実感でき、とてもためになりました。これからも何らかの形で関わりながら応援していきたいです。



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