ゼミ研修旅行で長崎の博物館と美術館を見学
文化学科 植野健造 (美術史)
日本美術史、博物館学担当教員の植野です。今年もゼミ旅行の報告をさせていただきます。
私のゼミでは、浦上雅司先生(西洋美術史)のゼミと合同で前期と後期に1回ずつ日帰りで、美術館や寺院や文化財などを見学する貸し切りバス見学研修旅行を行っています。今年は、先日6月11日(土)、教員2名、学生35名の総勢37名で長崎市に行きました。
4月の学期開始時点では、熊本県立美術館と熊本市現代美術館の見学を計画し、4月14日、16日の地震発生以後も行けることを願っていましたが、余震や両美術館の状況を考慮すると断念せざるをえず、長崎に変更したという経緯があります。
朝9時に大学を出発し、午前中は長崎歴史文化博物館で16世紀西洋との出会い以降の長崎の歴史をたどる「歴史文化ゾーン」の常設展示を学生2班に分かれ、ボランティアスタッフの方の丁寧な説明を受けながら鑑賞しました。午後は長崎県美術館で「風と水の彫刻家 新宮普の宇宙船」と題した現代美術の企画展、同館のスペイン美術を核としたコレクション展示、さらには収蔵庫前室などのバックヤードまで、学芸員の方の2時間近くに及ぶフルバージョンのギャラリーツアーで多くのことを学ぶことができました。
長崎県美術館(1) 1階ロビーにて |
長崎県美術館(2) 企画展「新宮普 展」会場にて |
2005年に開館した長崎県美術館の建物は、株式会社日本設計と隈研吾氏によるものです。2020年の東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計は、再検討の結果、隈研吾氏のチームによる設計となりました。美術館は運河を挟み西側と東側ふたつの棟によって構成され、外光に満ちたエントランス、心地よい風が通り抜ける回廊、水面を臨むカフェ、緑に揺れる屋上庭園、ガラス張りの外観とそれを保護するように廻らされた石のルーバーなどが特徴的な建物です。
長崎県美術館(3) コレクション会場にて |
この日は汗ばむような晴天でしたが、屋上庭園からは長崎港を挟んだ対岸に、昨年2015年にユネスコの世界遺産リストに登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つである、三菱重工業長崎造船場の稼働遺産、ハンマーヘッド型起重機(ジャイアント・カンチレバークレーン)の雄姿が望まれました。
記録として、2015年度後期の見学について書きとどめておきます。
2015年11月14日(土)
山口県防府市・毛利博物館「特別展 国宝」、
山口県立美術館特別展「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」展を見学。
*画像はいずれも長崎県美術館にて 学芸員さんの説明を受けながら鑑賞(2016年6月11日(土))
撮影:植野健造
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