2023年5月27日土曜日

令和5年度 文化学科ガイダンスゼミナール & 新入生歓迎会 (学生記事)

  4月15日に行われたLCガイダンスゼミナールと新入生歓迎会の様子について、上級生サポーターとして参加した文化学科3年生の栗﨑結依さんにレポートしてもらいました。

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LC21台 栗﨑結依

 2023年4月15日(土)、A棟・中央図書館にて、文化学科ガイダンスゼミナール並びにコロナ禍から4年ぶりの開催となった新入生歓迎会が催されました。ガイダンスゼミナールは、「文化学科で何を如何に学ぶか」を実感するための催しで、コロナ禍を除いて、毎年4月に新入生を対象に開催されています。

 今年度のテーマは、文化学科で考える〈説明と理解〉でした。最初に、哲学・宗教学の立場から小笠原史樹先生より提題して頂き、その後、文化人類学・民俗学の立場から髙岡弘幸先生より提題して頂きました。そして、2つの講義を受けた後、基礎演習のグループごとに1つのテーマを定め、それに関する複数の説明と理解のあり方を調べ、それらについて考察し、発表をするという課題に取り組みました。

 まず2つの講義のうち小笠原先生は、

・どのような説明が求められるかによって、適切な説明は異なり、必ずしも科学的であることが正しい説明であるとは限らない

・間違っていると証明される可能性があるかどうかという基準で、科学的かどうかを判断しようとする方法が、批判もあるが問題点は克服されており、特に科学と宗教の区別に関しては有効である

・多様な説明の可能性と「説明しない」という可能性を考えることの重要性

 これらについて、新約聖書のヨハネによる福音書9:1−7の生まれつき目が見えない人がイエスによって癒されたという話、「カラスは黒い」「人から物を盗んで返さなかった者は、来世で牛に生まれ変わる」という二つの命題などからお話になりました。



 一方で、髙岡先生は、

・文化人類学・民俗学が、私たちのような「普通」の人々が日々営む暮らしのことで、当たり前すぎてその「意味」や「変化」、「始まり」などを考えないものである生活文化の研究である

・普通の人々が残した「説明」と「理解」

・何らかの「災厄」に見舞われたとき、その「災厄」が生じる説明としての様々な「妖怪」

 これらについて、北陸地方の「ミズシ」という河童のような妖怪の不可視性という視覚的特徴の欠如、ヌリカベ、算盤坊主の怪しい坊主に化けた「狸」という説明と自殺した小坊主の「幽霊」という説明の違い、『耳嚢』巻の7「退気之法尤之事(たいきのほうもっとものこと)」などをもとに、お話しになりました。

 今回、新入生は、「愛」「第六感」「運命」「死」「宗教」「江戸・明治における外国人像」など様々なテーマを自分達で設定して発表しました。大学に入るまでは、試験のために一つの定められた説明を理解していましたが、文化学科での学びでは、複数の説明と理解から物事を考えることが増えます。その第一歩として、今回のガイダンスゼミナールが良いものになったのではないでしょうか。また、高校までの学習において、自分たちでテーマを設定し、グループで調べて、大勢の前で発表するという機会は、なかなか経験しないことですが、きちんと話し合ってハキハキと発表していて良かったなと感じました。


 ゼミ終了後は、ひだまりにて、新入生歓迎会が催されました。豪華なお料理を頂き、交友関係を深めることができました。それぞれ、今回のガイダンスゼミナールをどう思ったか、サークル活動などの大学生活などについて話していて、とても有意義な時間を過ごしていました。




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