2023年1月12日木曜日

2022年度 卒業論文発表会のお知らせ

 下記のとおり、卒業論文発表会を開催します。今年度に卒業論文を提出した4年生のうち、4名が発表します。LCの学生の皆さんが学年を超えて集まることのできる貴重な学科行事です。発表者のみならず,文化学科の学生は全員参加できます。ぜひ遠慮なくご参加下さい。

 1-3年生の皆さんも,卒論で先輩がどのようなことを研究して卒業していくのか,自分が卒論を執筆する上で参考になります。4年生で自分は卒論を書いていないという方も,同級生の友人が大学での最後に発表する卒論発表をぜひご覧になって下さい。

2022年12月12日月曜日

ゴールポストと梟の神様、そしてザシキワラシ

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、 哲学・宗教学の小笠原史樹先生です。


ゴールポストと梟の神様、そしてザシキワラシ

小笠原史樹(哲学・宗教学)

スポーツ観戦の習慣は全くないのだけれど、ほぼ唯一の例外として、四年に一度、サッカーのワールドカップだけは楽しみにしている。このブログ記事を書いている時点で(2022年12月10日)、すでに準々決勝、最初の二試合が終わり、次は残り二試合。何の知識も経験もない素人の目で画面を眺めているだけではあるものの、十分に堪能しており、そのため授業の準備が進まず、今、かなり追いつめられている……。
 
それはともかく、試合の実況や解説などで時々「ゴールポストに嫌われた」という表現を聞くことがあり、言葉遣いとして面白い、と思う。正確に定義できる自信はないが、「シュートしたボールがゴールポストに当たり、ゴールの外側に弾かれてしまうこと」という程度の意味だろうか。まるでゴールポストがその選手を、あるいはシュートやボールを好いたり嫌ったりしているかのようで、人間以外の視点が入りこんでくるのが面白いし、「選手がシュートを外した、ミスした」という言い方より、しっくりくる。

きっと、シュートがゴールに入るかどうかは、シュートを打った選手の行動だけで決まるわけではない。そこには他にも様々な、無数の要因・条件が関わっているのだろうし、そのような複雑な出来事の責任を、一人の選手だけに負わせるのはフェアではない、という気がする。ゴールポストの「好き嫌い」に理由を求める方が適切、と感じる。

2022年12月1日木曜日

河神像

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、芸術学の落合桃子先生です。


河神像

 筑後川は、利根川(坂東太郎)、吉野川(四国三郎)とともに日本三大河として知られ、筑紫二郎(次郎)と呼ばれています。堂々として勇ましく、普段は寡黙だが、実は気性が荒い、そんな九州生まれの男性がイメージされるでしょうか。

 川を人間になぞらえる、こうした擬人化は、ヨーロッパの美術でも古くから行われてきました。古代ギリシア・ローマ美術では、広く知られた川や、水の神オケアノスなどが、人間の姿で造形化されています。有名な作例に、ローマ・カピトリーニ美術館の、いわゆるマルフォリオ像(紀元1世紀)があります。
https://museicapitolini.org/en/collezioni/percorsi_per_sale/palazzo_nuovo/cortile/statua_colossale_restaurata_come_oceano_marforio(最終閲覧日2022年11月28日)

2022年11月18日金曜日

手書きの地図

 「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、文化人類学・民俗学の中村亮先生です。


 ある人との何気ない会話中「○○というお店に行ったことがありますか?」と聞かれた。「ないですね」と答えると、その人は「場所はここなんですよ」と言いながら、紙に地図を描いてくれた。私はそれを手にし、店の場所を確認しながら、「久しぶりに手書きの地図を見たなぁ」という思いにひたった。今の生活ではどこへ行くにもインターネットの地図アプリを使うことが多い。人に場所を説明する時も、目的地の名前や住所を伝えるだけで、あとは地図アプリにお任せである。最後に手書きの地図を描いたのはいつだったろうか?

 私はかつて、文化人類学のフィールドワークで「手書きの地図」をよく使っていた。とは言えそれは道案内のためではなく、人びとの「空間認識」を知るためであった。2000年からタンザニア南部のキルワ島という小島で漁民文化について調査しているが、その当初、漁業に詳しい人を探す目的で、「島の地図を描いてください。そしてそこに漁場も書き加えてください」などと複数の漁師にお願いすることがあった。島の形を正確に描けたり、多くの漁場を示すことができる漁師は、観察力や記憶力がものをいう空間認識に優れた人だと判断できる。そして大抵の場合「腕の良い漁師」なのである。

2022年10月17日月曜日

新資料紹介―続々と発見される新たな孔子の言行録―

「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、哲学の中村未来先生です。

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新資料紹介―続々と発見される新たな孔子の言行録―

中村未来(哲学)

 孔子(前551?-前479)と言えば、中国の春秋時代末期に活動した儒家の祖であり、その言行が門人たちの手によってまとめられ、『論語』として流布したということは有名です。『論語』は後世、しだいに重視されて経典化され、朱熹(1130-1220)ら宋代の学者たちは「四書」の一つに数えて最重要文献に位置づけました。

 ただし、孔子の言行については、実はその他の経書(『礼記』『春秋』三伝等)や諸子の書(『墨子』『荘子』等)にもその記録が散見しており、中には『論語』のイメージとはかけ離れた逸話や批判が付与されているものもあります。『論語』が不動の地位を得る以前は、やはり様々な学派との論争の中で、儒家もその思想を展開させていたのだろうということがうかがえます。

2022年9月21日水曜日

日本神話にまつわる小話:ヤマタノヲロチは怪物なのか

  「教員記事」をお届けします。今回の寄稿者は、宗教学の岸根 敏幸先生です


日本神話にまつわる小話:ヤマタノヲロチは怪物なのか

岸根 敏幸
 
 ヤマタノヲロチ(八俣遠呂知、八俣遠呂智、八岐大蛇)を知らない日本人はそう多くないでしょう。日本神話に直接触れたことのない人でも、その名前と特異な姿について、ある程度は知っているのです。では、ヤマタノヲロチという存在は何なのでしょうか。「想像上の怪物」という答えがすぐに返ってきそうです。日本神話の記述によれば、ヤマタノヲロチに八つの頭と八つの尾があり、大きさは谷と山を各々八つ分合わせたほどとされています。そんな生物は地球上のどこにも存在していませんし、恐竜が活躍していた時代でも該当するような生物はいなかったでしょう。

2022年9月13日火曜日

2022年度 オープンキャンパス(学生記事)

8月6日に行われたオープンキャンパスの様子について、スタッフとして参加した2名の学生にレポートしてもらいました。

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みなさん、こんにちは!文化学科3年の石川穂乃佳です。

今回は8月6日に行われた福岡大学のオープンキャンパスについてお伝えさせていただこうと思います。なんと対面でのオープンキャンパスは3年ぶりの開催ということでした。コロナで大変な時期ではありますが、実際に学科のスタッフとして高校生の皆さんに文化学科の魅力をお話できて嬉しかったです。