2020年2月4日火曜日

2019(令和元)年度卒業論文発表会に参加して

LC17台 黒山愛莉

 129日(水)に文化学科卒業論文発表会が開催され、昨年に引き続き今年も友達に連れられ参加してみることにしました。発表は第一部が口頭発表、第二部がポスター発表という流れでした。

 口頭発表では4人の先輩方が哲学・倫理学を1題、心理学を3題、それぞれ発表をされました。私は哲学・倫理学も心理学もあまり興味が無く、通常の授業でも履修を避けているため、内容が高度すぎてあまり理解することができませんでした。しかしながら、心理学の発表で「他者コンパッションと協調的幸福感の相関関係の検討」というものがあり、私はその調査の被験者となっていたため、最終的にどのような結果になったのか知ることができたので良かったです。

 他にも同じく心理学の発表で「上半身の動作による魅力の要因」というものがあり、美人な人は顔や体形が魅力的なだけでなく、動作も関係があるのではないかということを食事中の他者の開口サイズに対する印象からアプローチしたものでした。この発表では普段の食事中の動作やマナーで実践できるものを知ることができたので良かったなと思います。
 発表後は質疑応答の時間が設けられており、学生や先生方、発表者で盛んに論議がなされていました。特に発表者の4年生は論理立てた説明をされており、自分の論文に対する自信というものが伝わってきました。

 ポスター発表では、発表者がポスターの前におられ、自由に質問・意見交換をすることができました。特に印象に残っているのは芸術学・美術史の先生方のオススメだった「モネの風景画について」という発表です。
 モネの画風の変化には①初期の1860年代は描かれる人物が多く、またその表情もはっきりとしていること、②1970年代は人数の減少に加え、周りの風景と一体化し、パーツがぼやけ始めるということ、③1880年代は人物の減少と風景との一体化に加え、人物の指も5本ともはっきり描かれないような単純化がなされていること、という3つのポイントがあるそうです。これには1871年の父の死、1879年の妻の死の影響が大きく、モネは大切な人の死の悲しさから人物よりも風景を描くようになったそうです。また、《水連》に関することや、ジャポニスムの取り入れ方、描く際の目線の置き方、光と影の描き方、ルノワールとの関係性なども発表していただき、作品から製作者の思想や生き様、生きた時代背景を読み取る視点を持つことが大切であるということが分かりました。

 卒業論文は文化学科では必修ではありません。そのため、私も12年生の時は卒業論文に対して全く関心がありませんでした。しかし、このような発表会や先輩方とお話させていただく中で、テーマを見つけ文献を読んだり仮説を立てたりし、様々な実験や調査を通して結論を導き出すというところで、大学での4年間の学びの集大成だけでなく、自分自身に対して何らかの自信が持てるものとなるのではないかと思いました。また、卒業論文を書く書かないにかかわらず卒業論文発表会に参加することで、日々の学びや生活に役に立つ情報を知ることができるので、みなさんもぜひ来年度、参加してみて下さい。




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