2020年2月6日木曜日

2019年度卒業論文報告会に参加して

LC17台 栗山あかり

2020129日水曜日、私は初めて卒業論文発表会に参加しました。昨年までも興味は持ちながらも、敷居が高い気がして、なかなか一歩踏み出して参加してみることができませんでした。しかし、来年度、自分が書く時のためにも今年こそは参加しよう!と思い、参加しました。

発表は口頭発表が4(哲学・倫理学系1題、心理学系3)、ポスター発表が11(美術系7題、哲学・倫理学系2題、文化人類学系2題)ほどでした。このように、多様な分野の卒業論文ができるのも文化学科らしいと感じました。
前半の口頭発表では、普段自分が意識しないような点に焦点を当てて、研究を行っている方が多く、興味深いと感じました。また、会場からの質疑に対しても堂々と答える先輩方の姿や、積極的に質問をする同級生の姿には大きな刺激を受けました。堂々と質問に答えられるのはきっと今まで4年間、知識を積み上げてきたという自信やしっかり時間をかけて研究を行ってきた成果からだろうと感じました。また、発表する際には詳しい知識がない人に対していかに分かりやすく伝えられるかが重要になるのではないかと感じました。

また、後半のポスター発表では、それぞれのポスターの前に発表者が立って下さっていたため、小心者の私でも気軽に疑問点を聞くことが出来ました。また、発表に関することだけでなく、卒業論文の執筆の仕方やコツ、体験談についてもお話しいただくことができ、とても参考になるとともに、貴重な時間となりました。ポスター発表では口頭発表と違い、参加者全員に対して、研究について詳しく説明するわけではないため、いかに自分の研究内容をいかにわかりやすく1枚のポスターにまとめられるかが重要になるのではないかと感じました。

今回の卒業論文発表会でもっとも印象に残ったのが「食生活改善推進員と郷土料理」に関する研究です。この研究は、郷土料理はおふくろの味と結び付けられるのかという問題意識に基づいて行われた研究でした。ここでは食生活改善推進員について、現代の母親と食生活改善推進員の食に関するギャップ、食生活改善推進員の苦悩、郷土料理とふるさとの関係などについて述べたうえで、次の2点の結論を出していました。まず1点目が、郷土料理は「おふくろの味」ではなく、「外」に向けたブランド化された観光資源、残すべき文化資源への認識に変化したということ、そして2点目が食生活改善推進員は郷土料理を家庭料理に取り入れたい。現代の母親は簡単にできる料理を作りたいということです。
私はこの発表を聞いて、そもそも食生活改善推進員というものを知らなかったので、それを知ることが出来て良かったと思うとともに、郷土料理を住民に身近なものとして継承していくことの難しさを感じました。確かに郷土料理は観光資源、文化資源として残せていればいいのではないかという考えもあるかもしれませんが、私は郷土料理とはもともと、その地域で、そこの住民の生活に根差して生まれてきた料理であるのではないかと感じ、だからこそ、住民にとって身近なものとして継承していく必要があるのではないかと感じました。では、そのためには何ができるのか、この発表を聞いて考えさせられました。

今回、卒業論文報告会に参加して、先輩方の発表はまさに4年間の集大成なのではないかと感じました。1年後には私も先輩方のように堂々と自分の研究について発表できるようになっていたいと思いました。そのために、自信を持てるくらい知識をつけるのはもちろんのこと、計画的に研究を進め、悔いが残らないように残り1年を過ごしたいと思っています。

文化学科の卒業論文は非常に分野も多様であるため、足を運んでみることは自身の知見を広めることにもつながることになるのではないかと思います。発表を聞くことで、今まで興味がなかった分野に興味を持つきっかけになるかもしれません。私自身も今回参加するまでは敷居が高いと感じていましたが、決してそんなことはありませんでした。必ず発言を求められるということもありませんし、分からなかった点や興味を持った点に関しては発表者が分かりやすく、詳しく教えてくれます。
少しでも興味を持ったらぜひ、参加してみてください。



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