2017年6月30日金曜日

ゼミ研修旅行で熊本の市現代美術館と県立美術館を見学(植野健造先生)

 平成29年度第6回目の「教員記事」をお届けします。美術史の植野健造先生です。毎年ゼミ旅行のご紹介をいただいています。今年は、熊本市現代美術館と熊本県立美術館の見学記です。



ゼミ研修旅行で熊本の市現代美術館と県立美術館を見学

   
     植野健造(美術史

 日本美術史、博物館学担当教員の植野です。今年もゼミ旅行の報告をさせていただきます。

 私のゼミでは、浦上雅司先生(西洋美術史)のゼミと合同で前期と後期に1回ずつ日帰りで、美術館や寺院や文化財などを見学する貸し切りバス見学研修旅行を行っています。今年は、先日6月10日(土)、教員3名、学生21名の総勢24名で熊本市に行きました。今回は新任の落合桃子先生とそのゼミ生も参加しました。

 そもそも熊本市の2館への見学は昨年度当初に計画していたのですが、2016年4月14日、16日の地震発生で断念せざるをえなかったものです。朝9時に大学を出発し、午前中は熊本市現代美術館で、収蔵庫前室などのバックヤードツアーを行なった後、「高橋コレクションの宇宙」展 を学芸員さんによる説明を受けながら見学しました。

熊本市現代美術館、学芸員さんの説明を受ける

 精神科医・高橋龍太郎氏によって収集された高橋コレクションは、1990年代以降の日本の現代美術を主軸とした個人コレクションです。今回の展覧会は、2500点を超えるコレクションから、会田誠、小沢剛、草間彌生、束芋、チームラボ、奈良美智、名和晃平、蜷川実花、村上隆、森山大道、山口晃など36作家、約120点が展示された充実した内容でした。

熊本市現代美術館、奈良美智作品の部屋

 午後からは、熊本県立美術館で本館の「今西コレクションの名品」「コレクション」展、別棟で「細川コレクション 暮らしを彩る調度―うるしの美、蒔絵の輝き」展を見学しました。今西コレクションは、NHK熊本放送局の職員であった故・今西菊松氏が生涯をかけて収集した、肉筆浮世絵・版画・茶道具・工芸品などの優れたコレクションです。別棟の展示は、細川家伝来の美麗な大名調度を紹介するものでした。見学に先だち、やはり学芸員さんによる説明を受けましたが、昨年の地震時とそれ以後の復旧活動のお話しはたいへん興味深いものがありました。

熊本城 未申櫓(ひつじさるやぐら)
未申櫓は2003年8月復元、石垣は2016年4月の地震で一部崩落

 この日は曇りでした。県立美術館のある熊本城公園からは、熊本城の天守閣、宇土櫓などが望まれました。再建まであと何年かかるものでしょうか。

 記録として、2016年度後期の見学について書きとどめておきます。

2016年11月19日(土)
久留米市美術館「開館記念展 ふたたび久留米からはじまる。九州洋画」展、九州国立博物館「京都高山寺と明恵上人 鳥獣戯画」展、観世音寺(宝蔵、戒壇院)を見学。

*画像はすべて植野健造、2017年6月10日(土)撮影


**このゼミ旅行に参加した、LC15台の岡安麗奈さんから「ゼミ旅行記<熊本の美術館編>」という記事をご寄稿いただいています。そちらもぜひご覧下さい。


□植野先生のブログ記事
 ・ゼミ研修旅行で長崎・軍艦島に上陸見学
 ・ゼミ研修旅行でOPAM大分県立美術館を見学
 ・ゼミ研修旅行で長崎の博物館と美術館を見学

0 件のコメント:

コメントを投稿