LC18台 鳥巣はるか
皆さん、こんにちは。福岡大学人文学部文化学科二回生の鳥巣はるかです。
突然ですが、皆さんは落語を聞いたことがありますか? きっと多くの人が聞いたことがないと言うでしょう。理由としては、「古くさい」「難しそう」というイメージが強いせいだと思います。実際私も、この福岡大学の落語研究会に入るまではそう思っていましたが、聞いてみるととても面白く、奥深いものだと知ることができました。そこで今回は、皆さんに落語の魅力を伝えていこうと思います。
魅力の前に落語って何?
落語とは、扇子と手ぬぐいを主に使い、一人の演者が何人もの登場人物を演じ分けながら物語を展開させていく、日本の伝統的な話芸です。噺にオチがあることから落語といわれています。また昔の関東地方で演じられていた、江戸の言葉を使う江戸落語と、関西方面で演じられていた、昔の関西弁を使う上方落語という二種類に分かれています。同じ噺でも、地域性が出ていて少し違うものになっていたり、江戸落語は粋、聞かせるという特徴があり、上方落語は派手、華やかという特徴があります。
魅力① 扇子と手ぬぐいがあればどこでもできる
落語は基本、大道具やものに頼る事が少なく、演者一人が手ぬぐいと扇子を使い、身振り手振りだけで噺を演じます。そのため、大がかりな装置を用意する必要がなく、手ぬぐいと扇子があれば、どこでも落語を披露することができる、身近な芸能となっています。
愛用のセンスと手ぬぐい
魅力② 様々な噺がある
落語には様々な噺があります。例えば、面白おかしく笑える滑稽噺や、泣ける、聞かせるということに特化した人情噺、幽霊やお化けが出てくる怪談噺、お客さんからお題を三つもらい、演者がその場で噺を作る三題噺、色っぽい艶噺などがあります。また、既に述べた江戸落語に上方落語、昔から人々に伝わってきた古典落語や、明治以降に作られた、比較的新しい新作落語というように種類もたくさんあります。そしてオチにも様々な種類があり、考えオチという一瞬考えてからニヤリとさせられるもの(例、短命)、逆さオチという物事や立場が入れ替わるもの(例、初天神)、仕草落ちという仕草が落ちになっているもの(例、始末の極意)、地口落ちといわれるダジャレがオチになっているもの(例、孝行糖)、仕込み落ちという前もってオチの伏線を仕込んでおくもの、途端落ちという最後の一言で結末のつくもの、ぶっつけ落ちという意味の取り違えがオチになるもの、間抜け落ちという間の抜けたことがオチとなるもの、見立て落ちという意表を突いたものに見立てるものなどの種類があります。
このように、落語の形式、噺、落ちにもたくさんの種類があるため、いろいろな噺を聞いて楽しむことができます。また、前座噺という落語家の中でも下の身分の前座がやるような噺はわかりやすく面白いものが多いので、初心者の方にもおすすめです。(例、つる、饅頭怖い、寿限無、子ほめ、牛ほめなど)
魅力③ 演じる人によって、同じ噺でも全然違うものとなる
落語は演者一人ですべてを演じるため、非常にその演者の個性が出ます。同じ噺でも、江戸弁を使うのと上方弁とでは雰囲気が違ったものとなるうえ、その演者自身のキャラクターによって、まったく雰囲気が違うものとなります。たとえば、普段明るい人が滑稽噺をすることで楽しくお客さんを笑わせたり、普段はおとなしい人が聞かせて泣かせる人情噺をするのも、いいのですが、あえて普段明るい人が人情噺をすることで、人情噺特有の重い雰囲気が少し払しょくされて聞きやすいものとなったり、普段はおとなしい人が滑稽噺をすることで、その演者のおとなしそうな雰囲気とのギャップで面白いものになったりします。このように、同じ噺でも演者によって、雰囲気がぜんぜん違うものとなるため、その演者の個性を楽しみながら噺を聞くことができます。
福大落研の寄席で落語を披露したとき
以上、落語の魅力について取り上げましたが、実際、最近は落語ブームというように、落語を題材にした昭和元禄落語心中という漫画がドラマ化されたり、策伝大賞という学生落語の全国大会が行われていて、決勝戦はNHKで放送されていたりと、とても盛んなものとなっています。落語は親しみやすい文化となっているので、ぜひ落語を聞きに寄席に行ってみたり、日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか? そして福岡大学に入学した暁には、福大落研の寄席に来ていただければ幸いです。
策伝大賞の様子
福大落研の写真
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