2017年7月8日土曜日

伝統芸能 筑紫舞について(LC17台 亀井南央さん)

 今年度第3回目の学生記事をお届けします。文化学科1年生の亀井南央さんが九州の伝統芸能である筑紫舞について、自らが関わることになった経緯や活動内容について紹介してくれました。亀井さんは千葉県の出身ですが、筑紫舞を学ぶために福岡の高校に進学し、この4月に文化学科に入学されています。


伝統芸能 筑紫舞について
LC17台 亀井南央

 私は幼少の頃より、九州が発祥の日本の伝統芸能「筑紫舞」を習っており、将来は筑紫舞の伝承者になりたいと思っています。この舞は、平安時代の「続日本紀」にも書かれているほど歴史があり、歌舞伎や能、狂言などの元となったといわれる素晴らしい舞です。始めたきっかけは、祖母が習っており、物心を付いたときにはすでに習い始めていました。中学時代までは千葉県に住んでいて関東の教室で筑紫舞を習っていましたが、ご宗家の勧めもあり、本拠地で本格的に習得しようと決め、高校入学を機に家族と共に現在の本部である福岡市東区に移住しました。


 筑紫舞は、パリなどの海外公演でも成功を収めており、私もいつか海外公演を実現し、この貴重な日本の伝統芸能を世界に発信して参りたいと考えています。その時のために私は、日本の伝統や文化、宗教を深く学び、それを直接海外の方々に伝えられるようになりたいです。この目標を達成するためには、多角的な視点から日本の歴史や文化を学ぶことができ、留学の制度をたくさん設けてくださっている、福岡大学の人文学部文化学科で、夢を実現するために学習していこうと思います。

 現在私は、筑紫舞の門下の中でも師範という位におり、毎年近隣の香椎宮や紅葉八幡宮、住吉神社などを始め福岡の多くの神社で、舞を奉納させていただいております。

 また年に一度、大濠公園の能楽堂にて奉納ではなく舞台というかたちでお披露目していて、五年連続で出演させていただいております。昨年の舞台は、五百人以上の方々に見ていただくことができ、今までで一番幸せで、達成感のあるものとなりました。近年では、他の高校や大学に筑紫舞の講義をしに行くことも増え、名取りとして学生達に教えに行く立場にもあります。

 どの伝統的なものの分野にも共通して言える課題として、若年層があまり興味を示さないということが挙げられます。私と同年代の門下生を増やしたいという理由もあり、今まで培ってきた経験を十分に生かして、福岡大学でもより多くの学生にこの九州発祥の素晴らしい舞の存在を知って、興味を持ってもらいたいです。また、自分が師範という立場にあるので、教える側になり、ぜひみんなに触れてもらえたらと考えています。

 私はこの舞を、生涯かけて伝承していく所存です。先代の宗家、西山村光寿斉先生は、「筑紫舞を無形文化財にしたい」とおっしゃっておりました。私もそれを目標に、過去の経験を生かしながら、今できることを少しずつでもして、精進します。

 8月5日(土)12時30分から、大濠公園能楽堂にて公演致しますので、お時間がありましたらぜひ観にいらしてください。



0 件のコメント:

コメントを投稿