今回の素材は阿部共実の短編集『空が灰色だから』。取り上げたのは、知る人ぞ知る名作、第16話の「金魚」。無表情な主人公によって繰り返される問い。「なんでみんなあんなにすぐ顔を変えることができるのだろう」「みんなはどんな顔をしていたのだろう」「私はあの時どんな顔をすればよかったのだろう」――。
なぜ顔を変えられるのか、なぜ顔を変えるのか。周囲とうまくやっていくため? 周囲に合わせて表情を作る。或いは、話しかけるな、というメッセージとしてあえて無表情を保つ。実際、無表情な人は何を考えているのかわからないので、話しかけづらい。しかし、仲良くならないと表情が出せない? 逆に仲良くなると、無表情でいても平気になる?
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顔や表情が本当の感情を伝えているとも限らない。作っている顔と作っていない顔――。某教員が「自分の幼い頃の写真を見ると、作り笑顔ばかり」と言えば、もう一人の教員が「私の幼い頃の写真は、カメラの方をにらんでばかり」と応答。
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それ以外にも話題は多岐にわたり、怒り方の作法、女性のナチュラル・メイクや男性の無造作ヘア、電話で話す場合と対面して話す場合との違い、等々。文化学科内部の男女関係にまで話が及んだ辺りで、チャイムが鳴って終了となりました。
未だ参加者は少ないものの、前回よりは回復。来月もまた、土曜日の夕方に開催される予定です。そして、次回は学生さんが進行役を。お誘い合わせの上、ぜひ気軽に御参加下さい。
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