福岡大学人文学部文化学科の公式ブログでしたが,2024年3月末をもって停止いたしました。記載情報は2023年度までのものですので,ご注意ください。 2024年度以降の学科の情報は「https://www.hum.fukuoka-u.ac.jp/department/lc」をご覧ください。
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2018年12月26日水曜日
第7回 LCアーベントが開催されました
12月17日月曜日の夕方、第7回目のLCアーベントが開催されました。
今回の発表者は私(哲学・宗教学)で、タイトルは「物語られる生の諸相――生命倫理・神話・映画」。参加者は学生さんが5名程度に、教員2名。
まずは前半、J・レイチェルズの生命倫理・医療倫理の議論を踏まえて、生物学的な生命と区別される「物語られる生」という概念を導入(私の恩師は「物語られるいのち」という言葉を使っています)。さらに、自分が自分の生について物語る場合(物語られる生①)、他者がその生について生物学的生命の範囲内で物語る場合(物語られる生②)、他者がその生について生物学的生命の範囲を超えて物語る場合(物語られる生③)を区別。生物学的生命が続いていても「人生」はすでに終わっていると見なされるケースや、逆に生物学的生命が終わっていても「人生」は未だ続いていると見なされるケースなどについて、少し検討してみました。
その後、話は一挙に神話の世界へ。『ギルガメシュ叙事詩』を中心に、ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』とも比較しながら、生物学的生命を賭して死後の名声(物語られる生③)を求めるような「英雄的人生観」、生物学的生命の永続を求める「死の恐怖と永生希求」、名声や生物学的生命の永続を求めず、生物学的生命の範囲内で楽しもうとする「現世享楽主義」、という三つの人生観について検討(これら三つの区別は、月本昭男氏の整理に依拠)。
最後に、少しだけ映画について。「ライフ・イズ・ビューティフル」や「ビッグ・フィッシュ」などの作品を参照しながら、「物語られる生」という捉え方の射程、可能性について付言し、とりとめのない発表が終了。
質疑応答では、生命倫理と宗教学との関連、死後の「神格化」の問題、英雄的人生観と現世享楽主義は両立するのではないか、キリスト教的な「永遠の命」の意味、脳死・臓器移植の問題などが問われ、議論が交わされました。
※なお、質疑応答の際、「スピリチュアル・ペイン」や「スピリチュアル・ケア」などの言葉を、宗教的な信仰に関わる痛みやそのケア、という意味で使ってしまいましたが、これらの言葉は狭い意味での「宗教」だけではなく、人生の意味に関する苦痛など、より広い意味でも使われます(「宗教的ケア」と「スピリチュアル・ケア」を明確に区別する立場もあります)。訂正してお詫びを。
「ギルガメシュよ、自分の腹を満たすがよい」という『叙事詩』の言葉に従い、終了後は近所の某居酒屋へ。先程の発表はどこへやら、ハリウッドのアクション映画やB級映画の話で盛り上がってしまいましたが、それもまた一興……。
さて、四月からスタートしたLCアーベントですが、一月以降の開催はスケジュール的に難しいため、今年度は以上で終了。来年度の予定は全くの白紙ではあるものの、異なる分野の教員が集まって議論する機会は、ぜひどこかで設けたい、と考えています。
完全な「見切り発車」で慌ただしく始めた研究会でしたが、多くの方々のご協力を得て、何とか計7回、開催することができました。ご参加いただいた皆さま、開催にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
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2018年12月23日日曜日
文化学科における学業と部活の両立 (LC16台 立岩遼高さん)
2018年度 第6回目の学生記事をお届けします。文化学科3年生の立岩遼高さんが、文化学科での学生生活において学業と部活動をどう両立させるのかということに関して記事を書いてくれました。
みなさん、こんにちは。人文学部文化学科の3年の立岩遼高です。私はみなさんに、文化学科でどのように学業と部活を両立させているかを伝えたいと思います。私は現在ゴルフ部に所属しています。ゴルフ部の活動として週3回、全体練習を行っています。そして、毎月学内で順位を争う月例杯、年に2回の合宿、年間10試合程の大会にエントリーしています。以上がゴルフ部全体としての活動になります。もちろん個人練習も欠かさずやっています。休日にゴルフ場でキャディのアルバイトをし、業務が終わればラウンドさせてもらうことが出来ます。こうして、週に5日のペースでゴルフをしています。残りの2日間は何をしているかというと、福岡市内のすし屋でアルバイトをしています。ご存じのように、ゴルフというスポーツはお金がかかりますので、アルバイトをしてお金を稼がなければなりません。このように、部活で忙しい学生生活を送っていますが、卒業に必要な単位を今年でほぼ取り終わるところまできています。両立させるためには何が必要でしょうか。
両立させるために最も大切なことは、当たり前のことかもしれませんが、授業を休まないということです。大会等でどうしても授業を休まなくてはならないことは、部活に入っている以上、必ずあります。福岡大学には公欠制度はありませんが、文化学科の先生方に正当な理由を伝えると、考慮してもらえます。授業を休まない。とても大切なことです。また、学生同士で友好関係を築くというのも大切です。文化学科の学生は活発な人が多いので、積極的に声をかけて友達をつくりましょう。友好関係が広いほど、同じ授業を履修している友達の確率が高まりますので、部活で休んだ時に授業内容を教えてもらうことが出来ます。また、ゼミという場はとても大切です。私は佐藤ゼミに所属しており、心理学を学んでいます。佐藤ゼミはとても仲の良いゼミです。ゼミの友達とバーベキューをしたり、ご飯を食べに行ったりもします。自分にあったゼミを、友達と相談しながらで構わないので、しっかり選んでください。私は以上の2つのことを大切にして、大学生活を送っています。部活動生は、他の学生と比べて大変だと思います。しかし、部活から得られるものはとても大きいです。私は大学生活で頑張ってきたことは学業と部活の両立だと胸を張って言えます。
私は高校まで野球をしていましたが、怪我の影響で本来の自分のプレーができなくなりました。しかし、大学に入ってもスポーツに真剣に打ち込みたいと思い、父親からの勧めでゴルフ部に入部しました。私の所属しているゴルフ部を紹介したいと思います。ゴルフ部は現在32名で活動しています。ゴルフ部のOBで監督である北原成氏プロのご指導のもと練習に励んでいます。福岡大学は九州学生ゴルフ連盟に所属しており、実力上位大学によるAリーグと下位大学によるBリーグに分けられ、福岡大学はAリーグとBリーグを行ったり来たりという現状です。今の目標はAリーグ昇格です。全部員が切磋琢磨し、レギュラーに選ばれようと努力しています。プロのツアーの大会でスタッフとして働いたりもします。トッププロと会話したり、そのショットを間近で見たりできるのは貴重な体験です。私にとってゴルフ部は大切な存在です。
「文化学科における学業と部活の両立」
LC16台 立岩遼高
みなさん、こんにちは。人文学部文化学科の3年の立岩遼高です。私はみなさんに、文化学科でどのように学業と部活を両立させているかを伝えたいと思います。私は現在ゴルフ部に所属しています。ゴルフ部の活動として週3回、全体練習を行っています。そして、毎月学内で順位を争う月例杯、年に2回の合宿、年間10試合程の大会にエントリーしています。以上がゴルフ部全体としての活動になります。もちろん個人練習も欠かさずやっています。休日にゴルフ場でキャディのアルバイトをし、業務が終わればラウンドさせてもらうことが出来ます。こうして、週に5日のペースでゴルフをしています。残りの2日間は何をしているかというと、福岡市内のすし屋でアルバイトをしています。ご存じのように、ゴルフというスポーツはお金がかかりますので、アルバイトをしてお金を稼がなければなりません。このように、部活で忙しい学生生活を送っていますが、卒業に必要な単位を今年でほぼ取り終わるところまできています。両立させるためには何が必要でしょうか。
両立させるために最も大切なことは、当たり前のことかもしれませんが、授業を休まないということです。大会等でどうしても授業を休まなくてはならないことは、部活に入っている以上、必ずあります。福岡大学には公欠制度はありませんが、文化学科の先生方に正当な理由を伝えると、考慮してもらえます。授業を休まない。とても大切なことです。また、学生同士で友好関係を築くというのも大切です。文化学科の学生は活発な人が多いので、積極的に声をかけて友達をつくりましょう。友好関係が広いほど、同じ授業を履修している友達の確率が高まりますので、部活で休んだ時に授業内容を教えてもらうことが出来ます。また、ゼミという場はとても大切です。私は佐藤ゼミに所属しており、心理学を学んでいます。佐藤ゼミはとても仲の良いゼミです。ゼミの友達とバーベキューをしたり、ご飯を食べに行ったりもします。自分にあったゼミを、友達と相談しながらで構わないので、しっかり選んでください。私は以上の2つのことを大切にして、大学生活を送っています。部活動生は、他の学生と比べて大変だと思います。しかし、部活から得られるものはとても大きいです。私は大学生活で頑張ってきたことは学業と部活の両立だと胸を張って言えます。
佐藤ゼミでバーベキュー
私は高校まで野球をしていましたが、怪我の影響で本来の自分のプレーができなくなりました。しかし、大学に入ってもスポーツに真剣に打ち込みたいと思い、父親からの勧めでゴルフ部に入部しました。私の所属しているゴルフ部を紹介したいと思います。ゴルフ部は現在32名で活動しています。ゴルフ部のOBで監督である北原成氏プロのご指導のもと練習に励んでいます。福岡大学は九州学生ゴルフ連盟に所属しており、実力上位大学によるAリーグと下位大学によるBリーグに分けられ、福岡大学はAリーグとBリーグを行ったり来たりという現状です。今の目標はAリーグ昇格です。全部員が切磋琢磨し、レギュラーに選ばれようと努力しています。プロのツアーの大会でスタッフとして働いたりもします。トッププロと会話したり、そのショットを間近で見たりできるのは貴重な体験です。私にとってゴルフ部は大切な存在です。
団体戦の集合写真(鹿児島空港36ゴルフ倶楽部)
普段の練習風景
2018年12月17日月曜日
平成31年度文化学演習の所属希望調査について(連絡)
文化学科学生各位
◆平成31年度 新2年生(LC18台)・再履修者各位
平成31年度の文化学演習Ⅰ、文化学演習Ⅱの所属希望について、下記の要領で提出してください。
◆平成31年度 新3年生(LC17台)・新4年生(LC16台)・再履修者各位
平成31年度の文化学演習ⅢⅣ、文化学演習ⅤⅥの所属希望について、下記の要領で提出してください。
※注意事項
《重要》平成31年度 文化学演習所属希望調査について
◆平成31年度 新2年生(LC18台)・再履修者各位
平成31年度の文化学演習Ⅰ、文化学演習Ⅱの所属希望について、下記の要領で提出してください。
◆平成31年度 新3年生(LC17台)・新4年生(LC16台)・再履修者各位
平成31年度の文化学演習ⅢⅣ、文化学演習ⅤⅥの所属希望について、下記の要領で提出してください。
記
- 演習Ⅰ・Ⅱ(LC18台および再履修者)については、配布された「演習所属希望調査票」を前期と後期で各1枚提出してください(再履修を除くと、各自2枚提出)。
- 演習Ⅲ-Ⅳ、Ⅴ-Ⅵ(LC17台・LC16台)については、配布された「演習所属希望調査票」を前・後期通じて合計1枚提出してください(再履修を除くと、各自1枚提出)。ただし、再履修の場合は1科目(半期)ごとに1枚提出してください。
- 提出先は文系センター棟低層棟1階のレポート提出ボックスです(下記案内図参照)。
- 提出期間は 平成31年3月15日(金)~19日(火) 16:00 <厳守> です。提出がない場合や期限に遅れた場合は、教務・入試連絡委員が所属を決定します。 ※何らかの事情で上記の期間中に提出できない場合は、事前に教務・入試連絡委員(本多・林)へ相談してください。
- 決定した演習の所属は、3月22日(金)までにFUポータルと人文学部掲示板で発表します。
- 演習所属に関する問い合わせは、教務・入試連絡委員(本多・林)まで。
※注意事項
- 演習ⅢとⅣ、ⅤとⅥは前期と後期で同一教員の演習に所属することになります。
- 演習の所属は原則として本人の希望に基づいて決定します。ただし、希望人数が定員を超える場合は、平成30年度の成績に基づいて調整します。
- 各演習の内容については、3月上旬以降にFUポータルでシラバスを閲覧することができます。『文化学科 教員紹介』も参考にしてください。
- 登録制限科目を履修する場合、所属する演習の開講曜日・時限と重複しないように注意してください。
- 学芸員を志望者する3年生 (LC17台)は、必修の「博物館資料保存論」(火曜5限<前期>)が、火曜5限<前期>の文化学演習Ⅲと重なっています。学芸員必修科目を履修する場合、火曜5限の文化学演習Ⅲ・Ⅳは履修できませんので注意してください。
- 再履修が必要な場合、必要な用紙を別途用意し、「再履修」欄に必要事項を記入して提出してください。
- 「演習所属希望調査票」が手元にない場合は下記からダウンロードしてください。3月には、FUポータルからもダウンロードできるようにする予定です。ダウンロードした用紙は、配布したものと色が違う場合がありますが構いません。
2018年12月12日水曜日
第6回 LCアーベントが開催されました
11月20日火曜日の夕方、第6回目のLCアーベントが開催されました。
今回の提題者は、芸術学・美術史がご専門の落合桃子先生。「近代ドイツにおけるマルティン・ルターのイメージ」というタイトルで、ご発表いただきました。
ルター(1483年から1546年)の生涯に関する説明の後で、生前に描かれたルターの肖像画の話からスタート。ルターの肖像画は八つに分類できて、すなわち、①修道士としてのルター、②博士帽を被ったルター、③騎士ヨルクとしてのルター(カトリック教会からの破門後、ルターはヴァルトブルク城で「騎士ヨルク」としてかくまわれた)、④夫としてのルター、⑤説教師としてのルター、⑥大学教授としてのルター、⑦牧師としてのルター、⑧臨終のルター。同じルターでも、帽子を被っていたり被っていなかったり、着ている服が違ったり、様々。
ルターの死から約250年を飛び越え、いよいよ舞台は19世紀のドイツへ。この時期、ルターが改めて注目され、記念碑が建立されることに。複数の案の中から選ばれて、1821年、ヴィッテンベルクに建てられたのが、ヨーハン・ゴットフリート・シャドウによる「マルティン・ルター博士記念碑」。この彫像が後のルターのイメージを決定づけた、と考えられる。
他にも19世紀ドイツでは、銅版画や壁画として、ルターの生涯が絵画化された。ヨーハン・エルドマン・フンメルの銅版画集『マルティン・ルター博士礼賛』(1807年)や、ヴァルトブルク城「宗教改革の部屋」の壁画(1872年から1882年)、等々。
また、ドイツでのナショナリズムの盛り上がりに伴い、政治的な文脈の中で、ルターは歴史上の偉人、宗教改革者として重要視されるようにもなる。例えば、古代にローマ軍を撃退した英雄ヘルマン(=アルミニウス)と、ローマ教皇庁と戦ったルターが対比される。さらに20世紀前半、ナチスが台頭する中で、「ヒトラーの戦いとルターの教えがドイツ民族を守るのだ」というポスターも作られ(1933年)、ナチスのシンボルと共にルターが描かれたりもする――。
以上のように、近代ドイツでルターのイメージが再生産され、強化されていくプロセスについて、豊富な絵画資料などが示されながら、話は進みました。途中、落合先生ご所蔵の銅版画集が置かれた机を皆で囲み、一枚一枚の絵をじっくりと鑑賞する場面も。
ご発表後の質疑応答では、ルターの表情の描き方や、帽子や服の意味に関する質問、なぜ1821年の銅像のイメージが長く維持されているのか、等々の質問が出て、議論が交わされました。研究会の終了後、教室から出て歩いている最中も、なかなか話は尽きなかった模様。
私個人は、キリスト教の思想について勉強する過程で、ルターの著作を以前から読んではいたものの、ルターの絵画的なイメージについて考えることは全く怠っており、今回、多様な描かれ方の実例にはじめて触れることができて、色々と刺激を受けました。特に上記④のタイプの、家族と一緒にいるようなルターについては、あまりイメージしてみたことがなかった、と気づかされ、反省すること頻り。
残念ながら参加者は少なく、5名程度。幾つかの専門科目などと時間割が重なってしまってもいたようで、この点も反省中……。日程の決め方など、今後、工夫していきたいと思いますので、何か要望があれば、ぜひお聞かせ下さい。
さて、次回は来週月曜、17日の夕方の開催。
第6回・第7回 LCアーベント開催のお知らせ
私が発表者のはずですが、このブログ記事を書いている現時点で、準備は半分、あるいは三分の一程度。しかし、発表者の準備が終わろうが終わるまいが、非情にも、この会は予定通りに開催されます。
すっかり寒くなった師走の夕方、何か、温かい飲み物でも片手に、ぜひ月曜日、LCアーベントへ。
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