2018年9月29日土曜日

平成30年度 卒業論文相談会が開催されました

 3年生対象の、平成30年度卒業論文相談会が9月28日(金)に開催されました。今年も多くの3年生が参加しました。



卒業論文とは、それまで大学で学んできたことの中から、自分で「テーマ」を見つけた上で、証拠となる様々なデータや文献について調査し、それらをまとめたのちに、自分なりの結論・答えを見つけていく作業を意味します。レポートが、授業を受けて、教員から与えられたテーマについて調べた上で、その調べたことをまとめる受動的なものであるのに対し、卒業論文は、学生が主体的・能動的に、学問の分野で何かを生み出す・創造することに他ならず、研究者としての一歩目を踏み出すことと言っても過言ではないでしょう。調査・考察のプロセスは、ときに辛く困難なものであることも多く、また、研究することの責任を負わねばならない厳しい側面もあります。その一方で、自分なりの答えが見つかったときには、これ以上ない喜びを得られるものでもあります。

 この相談会では、教員と3年生が一堂に会して、複数の教員と話をして色々なヒントを得ながら、卒業論文の指導教員を決めていきます。これから1年以上をかけて、どのような卒業論文が生まれてくるのか。傑作、力作を期待しています。

2018年9月28日金曜日

アイドルの文化(LC16台 三尾彩香さん)

2018年度4回目の学生記事をお届けします。文化学科3年生の三尾彩香さんが、ご自身の大好きな「アイドル文化」を紹介してくれました。


アイドルの文化
LC16台 三尾 彩香

こんにちは。人文学部文化学科3年の三尾です。突然ですが、みなさんは「文化」と聞いてどういったことを連想しますか? 日本の文化、海外の文化、食べ物の文化………世の中には様々な文化が存在します。言いかえれば、どんなものにも文化は存在するということです。そこで私は、自分が好きなアイドルに関する文化を紹介してみようと思います。

アイドルと一概に言っても、女性アイドル、男性アイドル、メジャーデビューしていない地下アイドルなど、「アイドル戦国時代」と言われるだけあって、世の中にはたくさんのアイドルがいます。これから述べるのは、主に男性アイドルについてです。

私は、大手男性アイドル事務所のアイドルが好きなのですが、この事務所に所属しているアイドルグループを応援しているファンの間には、多くの独特な文化が存在しています。

① うちわを使った応援

うちわと聞いて、みなさんは暑いときに扇ぐものを連想すると思います。しかし、アイドルのファンにとっては、うちわは立派な「応援グッズ」となります。公式グッズとして、うちわにアイドルの顔がドーーーンと印刷されたものが売られていて、コンサートでのマストアイテムとなっています。コンサート中にアピールするために持つのはもちろん、会場の前で写真を撮ったり、プリクラを撮ったりすることもあります。私もよくプリクラを撮るのですが、持っているうちわのほうが、自分より何百倍も映りがいいです…。

うちわには他にも、自分で作った文字を切り貼りして作る、通称「ファンサうちわ」などというものがあります。例をあげると、「投げチューして」「バーンして」などです。ファンサとはファンサービスのことで、アイドルはうちわに書いてある文字を読んで、ファンに様々なサービスをします。ファンは、他の人と被らない自分だけのオリジナルのファンサを考え、それをうちわで表現します。ファンがアイドルに直接気持ちを伝えられる機会は少ないので、ファンサうちわは、ファンにとってもアイドルにとっても、とても大事なものとなっています。 

                 
(何度も行っている会場でも、必ずうちわとの写真を撮るのが、私のルーティンです。)
(上のような写真を必死に撮っています。 会場の周りには、同じようなことをしている人がたくさんいます。)

② 「担当」や「推し」という制度
これは女性アイドルにもあてはまるのですが、アイドルのファンは、「担当」や「推し」といった、自分が特に応援する1人を決めます。基本的には1人なのですが、複数いることもあります。うちわやグッズなども「担当」のものを中心に買い、自分はこの人を応援しているんだ!という一種の自己表現にもなっています。

そして、「担降り」という独特な文化もあります。その名の通り、「担当を降りる」ということです。「担当を辞める」じゃダメなのかとも思いますが、そこは奥が深くて、元々応援していたアイドルの後輩である、また別のアイドルを応援することに由来して、(先輩から後輩に)降りるということで、「担降り」という言葉が生まれたと言われています。でも人によっては、その逆のパターン(後輩→先輩)もありますし、「降りる」と言っても別のアイドルを好きになるのではなく、アイドルファンであること自体を辞めることを指すこともあります。

応援しているアイドルが私たちファンのことをひとりひとり把握してないことをわかってはいても、担当を降りる時ファンは、なぜだかTwitterやブログなどで「○○の担当を降ります。」と、長い決意表明文とともに宣言することが多いです。それはまるで、自分で作る自分のための卒業式のようなものです。そのアイドルについてまったく知識がなくても、そういったブログは面白いので、論文を見るような感覚で見てみるのはどうでしょうか? アイドル本人がこれを知っているはわからないですが、ひとつの区切りとしてファンにとっては大事なものなのかもしれません。

③ 「ジュニア」の存在
「ジュニア」とは、ここではまだメジャーデビューしていない男性アイドルのことを指します。昔はジュニアと言えば、メジャーデビューした先輩のバックで踊ったり、サポートをしたり、主にしていましたが、今ではジュニアの中でもグループを作って横浜アリーナや大阪城ホールなどの広い会場でコンサートをしたり、円盤(CD、DVD)にはなっていないものの多くの持ち歌を持っていたり、昔の様子とは全く違っています。メジャーデビューを目指してガムシャラに頑張っている彼らを見ると、親のような気持ちになれると私の友達は言っていました。メジャーデビューしているグループのファンと、ジュニアを応援しているファンとでは、少し応援の意識が変わってくるのかなと思いました。

私はアイドルが好きになって、そのつながりでたくさんの友人ができましたし、様々なところへ行くことが多くなりました。東京はもちろん、広島、大阪、名古屋、そしてこの前は北海道にも行きました。その土地で観光をしたりするのも楽しいですし、なかなか行く機会がない地方も、コンサートがきっかけで訪れると、様々な魅力を感じることができます。

(左から、東京ドーム 名古屋城、北海道の旭山記念公園の夜景です。
  様々なところへ行く機会が増えて、旅行することが趣味になりました。)

ここでは3つの例をあげましたが、他にもたくさんあると思いますし、また女性アイドルやほかのアイドルになると、それに応じた応援スタイルがあり、まさに十人十色です。

この記事では、私が大好きな男性アイドルの文化について論じました。文化学科に入って約2年半、私は様々なことを学んできました。哲学や心理学、それに社会学や日本文学、芸術分野についても学びました。他にも宗教学や文化人類学、地理学など、文化学科は専門的にひとつだけ絞って学ぶのではなく、多くのことを自分が好きなように学ぶことができます。そのおかげで、観察力や考える力、物事を整理して体系的に論じる力がついたように思います。みなさんも文化学科で自由な発想を持って色んなことを学んでみませんか?